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さいきん見たバレエ関連映画四本

腰が治らずバレエのレッスンに行けていないので、自然と(?)映画を見る回数が増えていました。しかも、バレエ関連映画ばっかり。

 

『マチルダ 禁断の恋』恵比寿ガーデンシネマ

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 「仕掛けられた恋」「ロシア最大のスキャンダル」とかいう宣伝コピーに、マチルダは実は峰不二子マタ・ハリ的な存在だった、的な「ロシア最大の【政治】スキャンダル」映画かと期待したのですが、うーん、史実を離れたNHK大河ドラマ並みの、単なる道ならぬ恋愛ものでした。あの国のトップが絡むスキャンダルというとそういう方向でしょ? と期待してしまうのは、共産党ソ連プーチンのロシアに毒されすぎでしょうか?

バレエのシーンも思ったより少ないし。バレエの衣装は最初、時代考証しっかりし過ぎで野暮ったいなあと思っていたら、終盤、え、なにそれLED? 少なくとも豆電球と電池ないと無理ですよね? という時代を超越した衣装が現れてびっくり。宮殿内部とか戴冠式再現シーンを見られたのはよかったかな。

あ、あとストーカーこわい! めっちゃこわい!!

 

『ロイヤルバレエ マイヤリンク』@シアタス調布

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調布で英ロイヤルバレエの『マイヤリンク「うたかたの恋」』。昨夜の時点でウェブでチケットの売れ行きを見たら全然で、貸切か? と思いましたが、15人くらい客席は埋まっていました。マクレイ復帰作だし、無茶苦茶難易度の高いパ・ドゥ・ドゥだらけだし、平日でも見たい人はそこそこいた模様。
内容は、こんなマクレイも見たことないし、サラ・ラムはムンクの「思春期」を思わせるダークネス全開のファム・ファタールぶりだし、この二人しか踊れなさそうなこんな大変そうな演目も見たことないし、とにかく、素晴らしかったです。見てよかった! 東京では13日までの上映でした。

 

イングリッシュナショナルバレエ(ENB)アクラム・カーン版『ジゼル』@東劇

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アクラム・カーンのジゼル、ウィリたちがゾンビっぽくて最高。バレエ好きより演劇好きの血が騒ぎました。

流浪の民とかオレンジ・イズ・ニューブラックとかまどかマギカとかいろんなものを思い出すけど、たしかにこれは今様ジゼルだと思える。
現実世界で難破した難民船から浜辺に打ち上げられたあの子どもは、アクラム・カーン版のジゼルとアルブレヒトの子だったかもしれない、という妄想に至ったり。

原型を完全に霧のかなたに追いやっている音楽も、ノイズミュージックや民族音楽が好きなわたしには大好物です。ああ、生で見たかったなあ。香港公演には来たようですが、日本には来なかったのですよね。こういうところに日本の凋落が少しずつあらわれている気がします。

 

くるみ割り人形と秘密の王国』@TOHOシネマズ上野

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‪映画『くるみ割り人形と秘密の王国』、堀越英美さん翻訳の『世界と科学を変えた52人の女性たち』を読書中なのもあり、「お、お母さんは放射性物質かなにかのご専門で?」とsuspectしてしまった。映画はまさにディズニー、というか、子ども向けでした。大人としてはいろいろモヤモヤ。

世界と科学を変えた52人の女性たち

世界と科学を変えた52人の女性たち

 

 

母ともどもリケジョであるクララのそのリケジョであるがゆえの時代的困難が描写されないので、単に物語でデコレーションとして採用してみただけなのね、とがっかり。クララの母が短命なのはもしや研究対象が同位体?とか考えてたのに。

ドロッセルマイヤーとくるみ割り人形が昨今の趨勢で黒人キャスティングなら、クララが帰還したらドロッセルマイヤーの甥としてくるみ割り人形の彼が登場するのかと思ったら、しなくてがっかり。

それでもチャイコフスキーのスコアはやっぱり偉大です。ドゥダメル指揮とのことだけど、チャイコフスキーのスコアだけならアルバム買おうかな。

ドゥダメル指揮!ディズニー最新作『くるみ割り人形と秘密の王国』オリジナル・サウンドトラック11/21発売! - グスターボ・ドゥダメル

 

お題「最近見た映画」

わたしの髪の毛は分厚い、という話

ここ半月、腰の調子が治らない。先日の休みもバレエのレッスンをするのは無理そうだったのであきらめて、前日に予約して久々に髪の厚さを減らしに行きました。パーマ液とかヘアカラーで頭皮に痒みが出るようになって、それらをしなくなって10年、その前もその最中もその後も、髪の毛の生えてる密度、高い。密林並みに濃い。

そんなわたしの髪の厚さを減らしに行くサインは、クリップだけでは髪が留められなくなったとき。なお髪が厚くなりすぎてバレッタを壊したことも……。

最近はシニヨンにしたあとスクリュー状のピンでシニヨン内部を留めてからじゃないとクリップで留められない量でした。ちなみにクリップは5個使用。

今回も1時間ほどでバッサバッサと減らしてもらいました。担当さんが最後にブローしながら、「相変わらずサラッサラですね! 厚いけど!」と満面の笑みで言ってた。

そうなんですよ、厚くさえなければ髪は丈夫だし変な癖もないし、いいんだけど。いや、よくないな、サラサラすぎて、髪が厚くないときはヘアゴムで結んだ上からじゃないと、バレッタが落ちるんだった。うーむ。

世界人権デー・ピースマーチ@神田~秋葉原

12月8日(土)、10日の世界人権デーを前に主催 スチューデント・フォー・フリー・チベット・ジャパン(SFTJ) 、共催 在日チベット人コミュニティー、協力 世界南モンゴル会議(クリルタイ)、在日東トルキスタン人会で行ったピースマーチの様子をお知らせします。

 

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まずは午前中に、東京・麻布の中国大使館前で行ったチベットウイグル南モンゴルの人権状況の改善を訴える抗議行動の模様をどうぞ。

 

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午後は中央区日本橋本石町4の常盤公園(近くに工事中の常盤橋公園があってまぎらわしい!)に午後二時に集合、二時半に常盤公園を出発し、秋葉原を経由して昌平小学校わきの芳林公園をゴールに午後三時半ごろ解散しました。

 

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https://twitter.com/SFTJapan/status/1071240090108588037

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参加のみなさん、沿道で賛同してくださったみなさん、目を止めてくださったみなさん、ありがとうございます。最近ウイグルの惨状が報道で伝えられているとおり、中国政府による市民への弾圧はとどまるところを知りません。中国政府が何をしているのか、世界で何が起こっているのか、関心を持っていただければ幸いです。 

 

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お題「今日の出来事」

アクラム・カーンの『ジゼル』@東劇

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イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)団による、振付家アクラム・カーンによるまったく新しい『ジゼル』の映像版を東銀座の東劇で見てきました。東劇での上映期間は11月30日~12月6日、間をおいて12月14日~21日なのですが、その前半期間に滑り込みで。

音楽のせいかバレエ魂より演劇魂を揺さぶられる映像体験です。オペラ版の『カルメン』に、歌曲「流浪の民」、ネットフリックスの女子刑務所ドラマ『オレンジ・イズ・ニューブラック』、アニメ『まどかマギカ』とかいろんなものを思い出すけど、たしかにこれは今様ジゼルだと思えます。ウィリたちがゾンビっぽくて怖くて、アマゾネスを思わせる強さなのも最高。ウィリたちの女王・ミルタは闘いの女神・ヴァルキューレのようでもあります。

そして、現実世界で、難破した難民船から浜辺に打ち上げられたあの子どもは、アクラム・カーン版のジゼルとアルブレヒトの子だったかもしれない、という妄想に至ったり。

www.afpbb.com

 

ビジュアルとしては、権力者側の女性のドレス、特に白くて横に嵩張ってるまどかマギカの魔女みたいな人が気になる! ビーズのヴェールをかぶってる人は少しアルブレヒトと絡むシーンがあってよかった、けどこちらももっと衣裳を見たかった! と思ったらこんな動画が。ありがとう、ENB!

 

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今作では、アルブレヒトの正体が暴かれる場面として、大公がアルブレヒトに音を立ててキスするシーンがあるのですが、なんだかシチリアマフィアとかの「こいつは仲間だ」と内外に示す身振りのようだな〜、と思って見ていました。オリーブ園でのユダからイエスへの接吻も思い出すシーンです。というか、相手の身分を周囲に知らしめる西洋的文脈でのキスシーンは、そもそも聖書のあれに端を発しているのかもしれないけれど。

あのキスの、派手で際立ったジェスチャーじゃないと意味がない、親密さのない、中身のこもっていなさが怖くて、アルブレヒトもそういう世界からの逃避先がジゼルだったのかな、とか。原作と違って権力者側に戻れない怖いラストも、裏切り者は去れ、あるいは、一度転落すると元の位置に戻るのが難しい現代っぽいな、と思いました。

そんなわけでアクラム・カーンの『ジゼル』、最高なので東京は12月14日~21日、札幌、大阪、名古屋では12月20日まで、神戸では12月21日~1月3日に上映されますので、ぜひ行って目撃していただきたいです!

www.culture-ville.jp

 

ところでENB公演といえば、英語ツイートで「結局このイメージ写真と違ってプレシャス・アダムス、白鳥踊ってないじゃん」の意のものを見かけて気になっています。うーん、どうなのだろう。今回の『ジゼル』ではウィリたちの一人を踊っていましたが……。

 

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さて、東劇に行ったので久々に銀座、有楽町界隈を歩いたんですが、クリスマスのイルミネーション、大変です! 有楽町駅前はなぜか葱が林立、銀座数寄屋橋交差点近くではロシア十字的なものが!
銀座のクリスマス、どうなっちゃうの? 有楽町はまさか初音ミクとコラボ?


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お題「最近見た映画」

『マシュー・ボーン IN CINEMA/シンデレラ』@恵比寿ガーデンシネマ

matthewbournecinema.com

東京は恵比寿で十一月二十三日までなので見に行きました。映画ならエンドロールになるところで思わずというか、思いがけず落涙。舞台は1940年の空襲下のロンドン。そこでは田舎に疎開もできない庶民はみんな、男女関係なく「灰かぶり(シンデレラ)」だったんだよ、というマシュー・ボーンの祖父母世代への思いを受け取ったと感じたからかもしれません。とにかくみんな灰色バリエーションか黒白、軍用カーキ色メインで、シンデレラの白と銀の「舞踏会」ドレスと真っ白な天使以外はくすんで煤けているのです。

ストーリーは家の中で存在感のないお父さんのやるせなさとか、ゲイなのを母に押さえつけられてる兄弟の行く末とか、主役だけにフォーカスが当たっているわけではない丁寧な人物造形はさすがマシュー・ボーン。ほかにも邪悪なのは継母だけで、姉さんたちはそれに引き摺られてただけで、芯から意地悪じゃないのもよかった。天使は『ベルリン 天使の詩』からのインスパイア+仙女のキラキラ感という感じ。

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そんな翻案っぷり、演出・振り付けの無駄のなさは、シアターオーブに来日公演を見に行かなかったのをちょっと後悔。ただ、わたしにとってシアターオーブはあまり見やすい劇場ではないので……。Bunkamuraだったら行ったんだけどなあ。

 

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お題「最近見た映画」

魔夜峰央原画展第2期@米沢嘉博記念図書館

若い頃は髪型、体型(要するに痩せていて胸がない)、おでこの真ん中にビンディを付けるのにちょうどよいくぼみ(水疱瘡の痕と思われる)がある、目が横に大きい、毒舌(空気が読めないため)、などから、「ラシャーヌに似ている」と言われ、魔夜峰央作品の中でも特に親近感を抱いていたのに、第1期の「ラシャーヌ!特集」を見逃したので、第2期の「短編怪奇マンガ特集」からは見なければ、と行ってきました。

www.meiji.ac.jp 

思っていたより生原稿のサイズが小さくてびっくり。その思ったより小さな原稿用紙への細かい細かい描き込みにもびっくり! すべての生原稿がそうだったけど、ベタに白抜きがホワイトではなく、ほんとに「抜き」なのも衝撃的! 美しすぎる生原稿! 生原稿がこんなに美しくてよいのだろうか?! 嗚呼、第1期を見逃したのが悔やまれる……。

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なお会場にはボタンを押して再生するミーちゃんボイスメッセージがあるのですが、その声音とか喋り方、あと再生環境のしつらえがミッチーっぽい! いや逆か、ミッチーが影響受けてるのか?

あと、◯◯を描くのが苦手だったというボードの記述にびっくり! えええ、パタリロには特に欠かせない◯◯なのに?!

ところで学術論文では雑誌は一重鉤括弧、単著は二重鉤括弧と習っていたので、原画展のボードではそれが逐一逆でちょっと面喰らいました。

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あと「黒塚」解説ボード9行目に衍字を発見。職業病……。

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お題「好きな作家」

レッスン覚え書き

・月二回と月四回の差

十月は二回しかレッスンに行けませんでした。その分、旅行に行ったりしていたので仕方ないといえばそうなのですが。

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今までこういうことをしていたところ、

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響灘でパノラマ撮影を覚えました

そして気づくと月二回しか行けない月と、四回、つまりほぼ毎週行ける月が交互にやってくる気がする……。無意識に月四回行ったあとは月二回にしている、というわけでもないのでしょうが、月二回しか行けなかったあとのレッスンは、三週間とか間隔が空いてしまうので、「サボると身につかない」をまさに身体で実感します。

 

・レッスンと音楽
レッスンスタジオの音響システムにはミュージカルナンバーの練習用バージョンも入っています。で、あまりバレエ音楽で練習することにこだわりのない先生だと、スタジオ備え付けのシステムのみで練習することもあります。
そうすると、ミュージカル『アニー』のあの有名な曲「Tomorrow」に合わせての練習になったりするのですが、正直、微妙……。到達できるかはともかくとして、白鳥とか姫とかを目指してレッスンしているのに、脳内にあの赤毛の爆発頭の女の子が出入りして、気が散るのです。

 

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ところで先生がバレエ音楽の練習用を使う場合、最初はテンポの遅い短調もしくはメランコリックな曲に始まり、だんだんとテンポの速い長調の曲へと遷移していきます。つまり、テンポの遅い曲=短調長調の曲=テンポが速い、と体感で記憶しているところに、「Tomorrow」というテンポが遅くて長調の曲が流れると混乱する、というのも気が散る理由かも。