ビーツと乳液
◆玉ねぎ畑にビーツを思う
北海道に行って、空港から宿までのドライブ中に繰り返し見かけて興味深かったものがあります。それは、玉ねぎ畑。
といっても畑には何も生えておらず、収穫された玉ねぎの詰まったコンテナがときにランダムに、ときに固められて、ときには整然と並べられている景色がそれです。
北海道の畑といえば、旅行前にこんなニュースを目にしていました。
えっ、とっくにビーツは北海道の特産になってるのかと思ってたのに、意外!
でもこの玉ねぎ畑を見て何となく納得しました。これだけの面積で北海道玉ねぎっていうブランドが確立してたら、とりたてて新しくビーツをやってみようとは思わないかもしれませんね。ほかにもじゃがいもや、地域によってはメロンもブランドが確立しているわけで。
と、ストーカーばりに玉ねぎ畑の写真を撮ってはいますが、ビーツ大好きなので、ぜひ北海道の特産になってほしい! 生のビーツを茹でて、冷めるまで放置して、里芋を剥くときみたいに包丁を入れてつるっと皮を剥いたのを食べるのは、たまにしかできない贅沢なので*1。
◆爽やかな気候=乾燥
北海道に行ってその必要性がわかったものに、乳液があります。脂性なせいか、お肌のお手入れは化粧水とリップクリームのみ、冬の乾燥時だけジェル美容液などという簡素な方式ですんでいたのですが、今回五日間、北海道にいて、三日目には念のために持ってきた試供品のパウチの乳液を塗っていました。
旅行前に北海道に引っ越した知人と会って、「美容院で三日三晩分の乳液もらっちゃったんだけど、いる?」と聞いてみたら、快諾のうえ受け取ってもらえたのですが、どうやら彼女も引っ越し前は乳液要らずだった様子。それを思い出して、自前の肌だけじゃなく、環境によってもお手入れは変わるという当たり前のことを認識したのでした。
で、帰京してからちょっと乾燥したときにジェル美容液を塗ってみましたが、やはりちょっとの乾燥ではトゥーマッチだったらしく、翌朝起きたら余計な油分でお肌が痒かった……。
ちなみにほんとにちょっとずつしかジェル美容液を使わないので、これの先代を使い切るのに一、二年かかりました。今年の初めに買った65グラムのこれも、まだまだ五分の四は残っています。たぶんこれから冬の乾燥時に使って、春までには使い切る予定。あ、顔だけじゃなくて脚とかにも塗ります。
*1:これ、いまのところ淡路島産のビーツをファーマーズマーケットで見かけない限りはできないお楽しみなのです。
チミケップ湖
北海道旅行、人のいないところその③はチミケップ湖。ここは人がいないうえ、「キャンプ場でクマの目撃情報があります」という掲示にややビビりながら美しい湖(実際は川の一部)を堪能しました。
ところでこのチミケップ湖は、行きも帰りもかなりオフロードみのあるロング&ワインディング山道でしか到達・帰還できないのですが、地図にチミケップホテルというホテルを見つけ、
「いったいどんなホテルなんだろう」
「あ、これ〇〇さんが嫌がるタイプのホテルだ」
「それ、1軒だけだからぼったくりに違いないとかいう先入観?」
「いや、殺人事件とか起こりそうって言いそう」
「火サスとかの見過ぎw」
とか言いながら近づいて行ったら、すみません、たいへん立派な、スイスやドイツの湖畔にでもありそうな高級オーベルジュでした。車もけっこう止まっていたなあ。犬小屋を見て、場所柄「クマよけかな……」と思ったり。
900草原
北海道旅行、人のいないところその②は900草原。撮り忘れたのですが、看板のロゴのフォントのせいで「goo草原」に見えて、「中古車が放牧されているのか」とか言い合ったりしました*1。
なんとなくこの本の、このシーンを思い出したりして。
ねこを探しに出かけたおじいさんは、たくさんのねこであふれた丘にたどりつきます。
*1:リンク先表紙の三枚目の写真にそのロゴがあります。https://www.masyuko.or.jp/introduce/900sougen/
相生鉄道公園
前回のエントリで北海道に行ったと書いたけれど、人のいないところばかりに行っていたので現実感がなく、今でも半分、記憶が夢のようです。
人のいないところに行こう、というのを夫の人と特に示し合わせたわけではないのですが、お互い普段は仕事で過剰に情報に晒されているせいか、これまでの旅行以上にそうなりました。
連休直後の平日だったせいもあるのだろうけれど、泊まった阿寒湖でのアイヌシアターでの演目はどれも観客少なめで、没入できたぶん、気になる粗も見えてしまったり。ただ、自然となるとそういう粗がないのがいいですね。
というわけで、人のいないところその①、道の駅あいおいにある相生鉄道公園(なお今後、丸数字の数値が大きくなるほどに人のいない度が上がります)。初日に空港からホテルまでのドライブ中に見つけて寄ったところ。そしてその後、どこに出かけるにもここの前を通ったところ。
鉄道公園にある車輛はライダー向けの素泊まりホテルになっていますが、今はクラウドファンディングによる塗り直しのため休業中とのこと。
猫のように狐が眠る北きつね牧場
もう先月のことになるが、北海道で北きつね牧場というところに行った。フェンスで囲われた中に自然に近い状態でキタキツネが飼育されている観光施設だ。自然に近い状態を保つため、見学者は原則的にキタキツネにさわってはいけない。近くに来てもおさわり厳禁だ。といってもさわれるほど近くになぞ、キタキツネは来なかったのだが。
あと、キタキツネの皆さんは、とにかくぐうぐう眠っている。やはり夜行性なのか。われわれが帰る間際になって、係のお兄さんが用事で入ってきたら、石に駆け上ってみたり、すごい勢いで子ぎつね舎のなかの子ぎつねたちがお兄さんのほうに駆け出して、お兄さんが去っていくと、「キューン、キューン」と鳴いてたり、入ってすぐのお賽銭箱横で置物のように寝てたキツネが起きてきたりした。これが滞在時間30分程度のなかでの唯一、キタキツネたちの動きの激しい時間であった。
鴨川べりの恋人たちのように、等間隔でシンクロナイズ睡
「だれか来たの? あー、係のお兄さんじゃないんだ。寝よ」
行き倒れてるかのようにぐっすり。呼吸が割と早いのでおなかの動きで「生きてるな」って感
日向ぼっこする皆さん。おじいちゃん的な個体も、目の脇に寝癖のある個体も。
ぜんぜん寄ってこない。っていうか猫かっていうくらい寝てる。
「何の用?」
絡みが見られるかと思ったけど不発。個別に落ちてきた木の実を探っているだけ。
係のお兄さんが入ってきたのにつられてか、突如アクティ
牧場脇の川の風景は、正しく夏の終わりという感じに美しかった。
川向こうには道の駅おんねゆ温泉。
北きつね牧場は、ほんの三十分強の滞在でも、見て回っているとキタキツネたちの顔立ちの違いがわかってくるのも楽しい。そして、キタキツネは思ったほどサイズが大きくなく、大きめの痩せた猫くらい、姿は犬っぽいけど、しぐさや表情は猫っぽいことを知った。大きさについてはイメージの中で、オオカミと混同していたらしい。ただ、寝ている姿以外のいい写真を撮りたいなら、椅子と三脚を持ち込んで開園と同時に入り、粘るしかなさそう。
それにしてもキタキツネ、というかキツネ全般がこんなに自分の近くにたくさんいる状況というのははじめてで、過去に読んだキツネが登場する物語をいろいろ思い出したりした。
初老とは
かつては40歳くらいのことだった初老、今では60歳くらいが使用イメージに当てはまる言葉なのだそう。
うーむ、するとアラフィフのわたしはそのような呼び方だと何を名乗ればよいのだろう。なお青年と老年のあいだを指す中年は、35歳から64歳くらいまでを指すのだそうで、これはちょっとレンジが広すぎる。かといって熟年っていえるほど成熟してないしなあ。
まあ、そんなことはいいとして、ここ数日で続けざまに、「こうはなりたくないな」という高齢者を見かけた。
一人はスーパーで。台風対策で混んでるスーパーで殺気立ってる高齢女性が、たいして空いてもいないレジの並び列を詰めろと若い女性にいちゃもん付けててげんめり。いや、そこを今ちょっと詰めてもレジの速度、たいして変わらないですよね? しかも若い女性が「そんなに詰められないですよ」と言ったら、「りくつ言うんじゃないわよ、りくつを! あなた斜めになってたじゃない!」。それを言うなら「屁理屈」では……。
もう一人は地下鉄で。隣に座った裕福そうな高齢女性が、音楽はチープな電子音、画面には文言が流れるネトウヨYouTubeを見てるのに行き合ってしまった。耳障りな電子音が流れっぱなしなので、「音を低くしていただけませんか?」と意を決して言ったら、お年のせいか耳が悪いのか、「アラ、音、出てます?」とスマホを耳に当てたりしていたが、マナーモードにすることを知らないようで、結局あれこれ試したあとに動画を止めてスマホをしまっていた。逆切れされなくてよかったけど、ああ、こういう層がああいう番組を見るのか、と暗澹たる気持ちに。それにしても、あんな単調な番組によく耐えられるな……。それともあと二十年もすると、わたしもあれくらい単調な番組じゃないと疲れちゃうようになるの? そんなの嫌ー!
『記憶にございません!』、豪華出演陣と直球の風刺に文句なし