夜桜を眺めながら一人で歩いていると、ほの白い花に、早逝した友だちの顔を思い出す。白い花が、お棺のなかの白い顔を思い出させるのだろうか。 若くしてこの世を去った友だちについては、こちらが年経るごとに、「なにか手立てはなかっただろうか」という思…
「じゃあ月曜にねー」 詩緒がバスの中から手を振り、実佳と久実も手を振った。バスがのそりと車線に戻る間に、二人は歩道を走って歩道橋まで行き、階段を駆け上がると手すりに肘をのせ、そこに顎をのせて、そこからバスを見送った。 「今日、なんかごめんね…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。