読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

創作

高畑勲展@東京国立近代美術館

終了直前ギリギリに高畑勲展。けど、天才の仕事を、天才性の求められない仕事をしている凡人が仕事前に見るもんじゃないですね。仕事とは……。仕事って、なんだっけ……。みたいなことになるので。 というのも、とにかくその才能と容赦ない仕事ぶりに圧倒される…

老後の計画に理想などない

今週のお題「理想の老後」と言われてふと気づきました。なんとワタクシ、あと五年で池内紀さんが東大を早期退職して「隠居」に入った年齢になるではないですか。 でも当方、凡人なので、五年後も今の仕事を変わらず遊び気分で(霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツ…

同人誌 新・旧、その他の日記

・その1:C96を終えて 夏コミ打ち上げで知った、校正すべきもう一つのテキストの流れが手違いで堰き止められてたという事実に気が抜け、眞踏珈琲店さんでコーヒーゼリーとジョージ朝倉の描くかわいい女の子に耽溺していたら、ゲリラ豪雨で傘をお借りする羽…

夏コミ直前! 新刊のお知らせ再び

C96夏コミ、Mmcの新刊は『クズ度で見る古典バレエ』、16ページ、予価200円です。日曜西館あ09bの暗黒通信団で出品します。 ロマンチックで優雅なはずの古典バレエの王子さまたちは、現代の基準から考えたら軒並みクズ?! その上、クズというよりワルでしか…

夏コミ本のお知らせ

いつもバタバタだったりお知らせできないままコミケが終了したりはたまたコピー本でコミケ当日しか出さないのに事後だったりしているので、今回は早めに入稿したのを機に、夏コミ本のお知らせ。 夏コミは日曜西館あ09bの暗黒通信団で出品します。タイトルは…

事実は小説より

奇なり とは言っても、こんな奇妙な人材募集が頻発するのはどうかと思うよ! なお翌日のリアル「注文の多い出版社」。 今日のレッスン ・まず床にまっすぐ座れない ・一時間半のうち、あと四十分で脳と身体の連絡不行き届き開始 ・先生に姿勢を直されたけど…

夢で逢いましょう ~バレエ『眠りの森の美女』妄想~

m.youtube.com その1:疲労するリラの精 「今回も、だめだった……」 お見合い不成立。王子の記憶からオーロラ姫のイメージを抜いて帰って来たリラの精は、呟いて寝床に倒れ込んだ。カラボスによるオーロラ姫への死の呪いを、城内300人もの長い眠りに分割して…

小さな小さな世界「田中智 ミニチュアワールド『Face to Face』もっとそばに」@POLA MUSEUM ANNEX

コロボックルとか安房直子の小さい人、ドールハウスとかの、小さな世界が子どもの頃から好きだった。そのころは虐待とかいじめから逃避して、小さな世界に行きたいと思っていたのかもしれない。 豆つぶほどの小さないぬ―コロボックル物語 2 (講談社青い鳥文…

なんでも雑誌化

趣味で活動しているコミケサークルの注文書が、「月刊暗黒通信団の注文書」という名前になって雑誌と化したのは、いつからだろう。少なくとも何年か前に吉祥寺のジュンク堂書店に営業に行った際の注文書は、ふつうに新刊情報のみが載っていたのだが……。 2017…

新作ピーターラビット映画

以前、ピーターラビット側からではなく、ピーターラビットたちに目を付けられた人間側からの短編を書いた。 mmc.hateblo.jp それに文芸同人誌用に手を入れてしばらくして、実写+CGのピーターラビット映画が作られていることを知った。海外版予告編を見る限…

いえのそとへ 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」6・終》

「西野さん、職員室まで、ちょっと」 部室に行こうとカバンとフルートケースを提げたところに、顧問の内田先生が眼鏡を押さえながら走って来て真顔で言った。 (なんだろう、こないだラブホに入ったのと、男子にそのお金出させたのがバレたのかな) そんな懸…

歩幅の違い 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」5-2》

翌日の昼休み、実佳は理科準備室兼、数学部の部室に向かっていた。詩緒を教室に訪ねて行ったのだが、昼休みも放課後も数学部にいると言われたのだ。 「誰かいますかー?」 昨日の久実の話の衝撃で、だれかが昼休みデートしている現場に踏み込んだら、と部室…

歩幅の違い 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」5-1》

受験が終わった。久実、実佳、詩緒はそろって見学に行った高校に受かり、それぞれ別のクラスになった。久実と実佳は吹奏楽部に、詩緒は理数系でもないのに、なぜか数学部に入った。 実佳が、奇妙な気配に気づいたのは夏休みのあとだった。正確には、久実とい…

いえのなか 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」4-2》

「おかえりなさい、吹奏楽部、どうだった?」 まだ、ローファーを脱ぎ終わらないうちにキッチンから出てきた母は、久実に近づいた。 「うん、楽しそうだったよ」 「おやつ、食べるでしょ?」 「あ、実佳たちと食べたから」 「……そう」 一気に母のテンション…

いえのなか 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」4-1》

「じゃあ月曜にねー」 詩緒がバスの中から手を振り、実佳と久実も手を振った。バスがのそりと車線に戻る間に、二人は歩道を走って歩道橋まで行き、階段を駆け上がると手すりに肘をのせ、そこに顎をのせて、そこからバスを見送った。 「今日、なんかごめんね…

手の重さ 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」3-2》

「この曲、終わったら音楽室に入って聞こうか?」 「だね、そろそろあの曲を歌う順番なんじゃない?」 実佳と詩緒が小声ではしゃいでいる。そういえば曲は、休みにみんなで見に行った映画の曲だ。吹奏楽部見学のお知らせには、演奏をバックに見学者全員で歌…

手の重さ 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」3-1》

久実は音楽室のある四階手前の踊り場まで一気に駆け上がり、そしていきなり座り込んだ。 (なにも知らないくせに!) (だからバカで愚鈍な男子ってキライ!) (なにが久実ちゃんだっての!) 怒りと憤りの思いとともに、フルートを強弱つけて吹くために鍛…

妹なんかじゃない 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」2-4》

今日の午後、学校はにぎやかだ。グラウンドで駆け回るサッカー部員たちがあげる声が窓から入ってくる。体育館からはバレー部とバスケ部の試合が交互にセットされ、売店にパンを買いに脇を通ると、シューズが床を鳴らす音がキュッキュと響いてくる。 東校舎で…

妹なんかじゃない 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」2-3》

おっさんがかあさんといつから付き合い始めたのかは、よくわからない。もともと大工として作り付けの家具を直しにきたらしいが、かあさんと籍を入れるまでは、家に泊まっていったことが律儀にも一度もなかったからかもしれない。 かあさんは俺を連れて実家を…

妹なんかじゃない 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」2-2》

その翌日、おっさんといつもの週末の食料買出しに出かけた先で、俺は西野久実とその母の買い物風景を見た。見た、というか、見られた、というか。先にこっちに気づいたのは西野母らしい。俺がおっさんに、「ねえ、なんかすっげえ睨んでるおばさんいるんだけ…

冬ごもり前やけくそパーティ 《連作短編集「デッドロックのはずれ方」1》

「まじょ が あらわれた」 先輩の殊勝そうなうつむき顔のむこう、校舎の角、自転車置き場の柱の陰で様子をうかがっている久実を見つけ、美李はつぶやいた。 「ほんと、ごめん、こんなことになっちゃって」 脚を前にまっすぐ上げたら股間にスマッシュヒットす…

華麗なる加齢の馬脚

今年の3月11日は、長年共に活動している、コミケや文学フリマ的なものには不参加の大学文芸部OBサークルの活動日だった。去年の暮れにできたOB誌4号を囲んで合評会、黙祷の時間を挟んで会計報告、そして会計責任者の送別会と、やることたくさん。 OB誌はあれ…