読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

読闘

さいきんの日記

‪◆鵜飼いとフォアグラ 鵜飼いの話になった。‬ わたし「鵜飼いってほんとひどいよね、鵜の上前を…」‬ 夫の人「上前どころか!」‬ わたし「えー、仕事上がりにはもらえてるんじゃないの、鮎」‬ 夫の人「鮎だといいね……」‬ わたし「鵜『この混合餌相変わらず不…

パリ・オペラ座バレエ団2020日本公演追記

先日、「ああ、今頃オネーギンの、そして今回の引っ越し公演の千穐楽……」などと思いながら調べ物をしていて、鑑賞記に漏れがあったな、と思い出したので、追記。 ◆『ジゼル』 パトリス・バール版の、ジゼルの父が誰であるかを示唆する目配せのある舞台でした…

シレジアを探せ

ふと思ったのです。シレジアって、どこだろう。バレエ『ジゼル』のあらすじには、こうあります。 ぶどう栽培を営む村。母親とともに暮らす娘ジゼルは、ある若者──じつはシレジア公爵アルブレヒトと恋に落ちている。(パリ・オペラ座バレエ団『ジゼル』あらす…

ストーリーが歪むほどの美

ありえないけど、仕事がなくてお金はある、という状況なら、パリオペ全日通ってるんだろうなあ。だってやっぱりマチュー・ガニオのアルブレヒト、見たいじゃないですか! ただオネーギンは……、なんというかマチューが美しすぎてストーリーが変質してしまう気…

豪華な火サス『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』

エンドロール、わたしの脳内では『聖母たちのララバイ』が流れていました。それくらい見事な火サス風味だったのです、この映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は。脚本には穴があるけれども、そこがまた火サス的なツッコミ待ちを思わせてよかったなあ…

アヴィニョン捕囚は「捕囚」といえるのか?

アヴィニョン捕囚、別名では「教皇のバビロン捕囚」とも呼ばれているけど、昔からこの名称と別名に納得しがたい。 まず、かたやユダヤ教、かたやキリスト教の出来事であり、次に、アヴィニョン捕囚の内実はバビロン捕囚に擬えるようなものではない。 バビロ…

続・ところで、聖マリアンナって何の守護聖人?

先日、ふと気になって調べたけどはっきりしなかった、「聖マリアンナ医科大学」の「聖マリアンナ」の由来。 mmc.hateblo.jp 創立者の妹さんの修道名(洗礼名とは少し違って、シスターや神父になる誓いを立てる時に付けられるクリスチャン・ネーム)だそうで…

ところで、聖マリアンナって何の守護聖人?

もともと、「聖マリアンナって、看護とか医療の分野で聞いた覚えない聖人だな」とは思っていたのです。 www.asahi.com 聖マリアンナ医大が第三者委員会の調査報告書を公開。属性による一律の差別的取扱いがあったことが指摘されています。H30は配点180点で男…

成人の日と、その後のこと

今週のお題「二十歳」のときの成人の日は、高校の同級生の、哲学系の学部に入った友達の下宿で、爆音でクレージーキャッツを聞いたりしながら、のんびり過ごした。そのころの成人の日は、一月十五日固定で、いまのように一月の第二月曜日というさまよえる祝…

待降節なのでクリスチャンぽいことを書く・その2

バブル期、十二月の会社の飲み会の二次会で、「クリスチャンならクリスマスソング歌ってよ~」と言われた。そこでわたしにとってのクリスマスソング、つまり教会で歌われるクリスマスの歌を歌ったところ、「なにその辛気臭い歌~」と笑われて、プチっと切れ…

同人誌の文字校正

12月18日、待降節もクリスマスまで一週間ほどになりました。このエントリは書き手と編み手の Advent Calendar 2019の18日目です。 adventar.org 一昨年の編集とライティングにまつわるアレコレ Advent Calendar 2017には「国政選挙は新聞社の『まつり』」で…

魔夜峰央原画展を先生出身地で見る

Noism公演から一夜明けて翌日は、新潟では新年五日までの魔夜峰央原画展へ。 museum.nmam.jp この原画展、神保町の明治大学 米沢嘉博記念図書館を皮切りに全国を回っているのですが、どうも地方での方が作品が多そうだし、会場装飾が豪華そう。福岡会場あた…

待降節なのでクリスチャンぽいことを書く

ああベツレヘムよ などかひとりほしのみにおいて ふかくねむるしらずやこよい くらきそらにこのよのひかりの てりわたるを この歌詞の「ほしのみにおいて」を「星の身において」=「占星術的な何か」だと思っていたら、「星のみ匂いて」だと知ったときの納得…

冬コミ予定はコピー誌

夏コミで暗黒通信団から『クズ度で見る古典バレエ』を出しましたが、冬コミは神戸暗黒通信団からコピー誌を出す予定です。 これ↓はボツにした表紙案。ある意味、闘病モノですが、暗くはないです。タイトル・書影などはまた後日! https://twitter.com/kobe_a…

わたしには故郷がない

わたしには故郷がない。これは、生まれた国が地図上にもうないとかそういう話ではなく、ホームタウンといえる場所がない、という意味だ。 小さい頃のことを思うと、理想とされる町に住んでいたのだと思う。その町というか住宅街は日当たりのよい丘の上で、高…

【気になる言葉】足蹴り/ポーク/豚コレラ

十か月ぶりに戻ってまいりました、「気になる言葉」シリーズ。今回も複数セットでお送りします。 ◆足蹴り 足蹴にする、からの転用なのだろうか。しかし、蹴るのは足で行う以外にどこでできるのかというとを考えると、「朝の朝食」のような重複表現なのでは。…

アイヌ語における「上野」

もう先々月になってしまった北海道旅行、着いてみたらアイヌ推しのホテルでした。館内着から館内装飾、ギャラリーやら浴室名やら、阿寒湖のアイヌコタンが近いのもあってか、何やらかにやらアイヌモチーフが頻出。館内で前回の東京オリンピック時に二十歳だ…

読書妄想『こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと』

読書しているときに、本題とはたぶんあんまり関係ない寄り道的なエピソードに引っかかって、そこから妄想が始まることがよくある。えっ? 読書中だけじゃないだろうって? ええ、まあ、そうですね。 たとえば道を歩いていてふと見かけた進学塾のこの窓には、…

薄荷とアイヌと『動物のお医者さん』の地

アイヌ神謡集 (岩波文庫) 作者: 知里幸恵 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1978/08/16 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 114回 この商品を含むブログ (61件) を見る 銀のしずく―知里幸恵遺稿 作者: 知里幸恵 出版社/メーカー: 草風館 発売日: 1997/02…

900草原

北海道旅行、人のいないところその②は900草原。撮り忘れたのですが、看板のロゴのフォントのせいで「goo草原」に見えて、「中古車が放牧されているのか」とか言い合ったりしました*1。 馬がちらりと。おわかりいただけるだろうか 広すぎて牛を見かけても胡麻…

猫のように狐が眠る北きつね牧場

もう先月のことになるが、北海道で北きつね牧場というところに行った。フェンスで囲われた中に自然に近い状態でキタキツネが飼育されている観光施設だ。自然に近い状態を保つため、見学者は原則的にキタキツネにさわってはいけない。近くに来てもおさわり厳…

初老とは

かつては40歳くらいのことだった初老、今では60歳くらいが使用イメージに当てはまる言葉なのだそう。 www.nhk.or.jp うーむ、するとアラフィフのわたしはそのような呼び方だと何を名乗ればよいのだろう。なお青年と老年のあいだを指す中年は、35歳から64歳く…

『記憶にございません!』、豪華出演陣と直球の風刺に文句なし

www.youtube.com 映画『記憶にございません!』、笑って笑って、身につまされて、同監督の『笑の大学』を思い出す。たとえ現実に総理が記憶喪失になったとて、映画内の総理の記憶喪失前は5カ国語堪能、能力そのものに雲泥の差があるので何も期待できることが…

お米がおいしい秋ですね

お米。おいしいお米。それはわたしの場合、自転車で自宅から飛ばして10分ほどのところにある、こだわりのお米屋さんで買うお米である。 わたしの好みのお米は、硬めに炊いても香りと甘みがあっておいしいお米。このお米屋さんに最初に行ったときにそう伝えて…

高畑勲展@東京国立近代美術館

終了直前ギリギリに高畑勲展。けど、天才の仕事を、天才性の求められない仕事をしている凡人が仕事前に見るもんじゃないですね。仕事とは……。仕事って、なんだっけ……。みたいなことになるので。 というのも、とにかくその才能と容赦ない仕事ぶりに圧倒される…

老後の計画に理想などない

今週のお題「理想の老後」と言われてふと気づきました。なんとワタクシ、あと五年で池内紀さんが東大を早期退職して「隠居」に入った年齢になるではないですか。 でも当方、凡人なので、五年後も今の仕事を変わらず遊び気分で(霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツ…

毒親持ちが見る 映画『フリーソロ』@新宿ピカデリー

www.youtube.com わたしは登山記録とバレエを見るのをやめられない。それはどちらも、「人間は、身体をここまで拡張できるなら、 精神も拡張できるのでは」という希望を持たせてくれるからだ。そんなわけで待ちに待ったクライミングのドキュメンタリー映画『…

『ディリリとパリの時間旅行』@恵比寿ガーデンシネマ

美しいものを見たなあ、という感慨に浸ることができるフランス風アニーのような映画です。 「子どもはあんなこと言わないでしょ」と感じるようなディリリの言葉も、「いや、でもここまで徹底的にフランス語を身につけた、しかも女子ならこの年齢でも言うかも…

声はすれども姿は見えず、ほんにスパムは蚊のような

今週のお題「夏を振り返る」ですが、今年の夏も蚊に刺され、そしてなかなか痒みが引いてくれません。しかも暑さがぶり返したせいか、蚊も復活したようで……。あの羽音を聞くと、仕留めるまでは寝られない、と思うのですが、敵もさるもの姿をなかなか現しませ…

追悼 池内紀さん

‪ “ユダヤ人”という存在 (池内紀の仕事場 2) 作者: 池内紀 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2005/09/17 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る いま、『〈ユダヤ人〉という存在 』を少しずつ読んでいる。一昨日…