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LIVE MEETING@阿佐ヶ谷 名曲喫茶ヴィオロン

開始時間からすこし遅れて着いたら、お店はもう超満員! それでもあとからお客さんが来て入りきらないので、お店のドアは途中からは開いてました。名曲喫茶であるお店の造りから、オーケストラピットを覗くような感じで演奏を聞くことに。楽しい!

今回のライブは須藤かよさんと、2525稼業の屋台骨、高橋裕さんがプロデュースするような形式。お店に着いたときは、おふたりが演奏されてました。高橋さんがギターと歌、須藤さんがアコーディオンやピアニカという構成では、高橋さんの発する音やことばが、微細な水滴のように放射されて、正面のピアノに当たって反射しているようでした。それから、須藤さんの「Rose」という曲の、薔薇の葉のふちのぎざぎざさや、花びらの重なった感じ、急な大風で散る花たちがありありと見えるようなピアノソロに戦慄。あれはもう、これ以上言葉では説明できないすごさでした。

それからゲストのジャズピアニスト、高橋聡さん。インプロヴィゼーションっぽい、再構成された『君が代』。キヨシローの『君が代』なんかも好きなので、たまらなく楽しい。ところで、この曲をアレンジすると、この国では右翼に攻撃されてしまうわけですが、アレンジして、しかも聞いて楽しいという状態にするには、原曲をよく知っていないとできないし、アレンジしたいほどよく知っているということは、その曲が好きだ、ということと同義語だとわたしは思っているのですが、なぜ、その行為がこの曲を大事に思っているはずのひとたちに攻撃されるのか、どうも納得できません。占有したい、というプリミティブな嫉妬の感情によるものだとは、到底思えないしねえ。

さて、休憩やコーヒーの時間をはさんで、2525稼業の時間です。それにしても高橋裕さん、ずっと出ずっぱり弾きっぱなし歌い続けなのに、ぜんぜん疲れて見えない。むしろますます楽しそうです。その高橋さんと須藤さん、そして高橋聡さんが繰り出す音に、2525稼業の声が加わると、お店のピアノの茜色が染み出してきたような、黄昏時のあのどこかこころもとないような、切ない空気が広がっていきます。最初に高橋さんと須藤さんのユニットを聞いていたときに感じた音や言葉の水滴が、2525稼業のふたりの声で夕焼け色のミラーボールに変わったような感じ。

今回は16曲もやってくれたので、存分に浸れました。そして今回も、やっぱり『旅芸人の歌』では悲しくなって、そして、ちょっと涙ぐんでしまいました。ちなみに、そんな2525稼業の歌の一部は↓ここ↓で聞けます。

http://www13.ocn.ne.jp/~olivers/2525/mp3/