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『下妻物語』

下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん (小学館文庫)下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]深田恭子 in 下妻物語 [DVD]

始まってすぐ、「VIVA YOU」のロゴ入れた黒地に白水玉スクーターが疾走する場面での「NOVALA TAKEMOTO」の入り方からもうテンポにはまって、寒くもないのに両肩鳥肌、で心の中でまず「やっべぇ」三唱。こういう時に自分の地を自覚するね。頻繁にキマる土屋アンナのパチキも、前半とくにいいアクセント。笑って笑って笑って泣いて笑って笑って笑って笑いながら泣いて笑った。

だって、『タイムマシンにお願い』とかもろ『ロンタイBABY』なレディース描写とかシベ超とかTBCとか、細かいギャグやネタがもういちいちツボなのだ。これと捨てキャラなしの濃い俳優陣で、中高は長い休みになると新幹線で東京に遊びに行ってた身には、この日の湿気の雲をすこーんと抜けた気分さえ感じた。同じ映画館で観たばかりの『ビッグ・フィッシュ』は男子のほうが共感できるかもだけど、『下妻物語』はきっと、女子のほうが共感できるはず。

全編、表情筋出動しまくりななかで、いちばん忙しかったのは、ワルツの調べにのせて深田恭子がゆっくりと土屋アンナの50ccの後部座席に歩いていくところ。気持ちいーいハッタリが通った快哉を叫びたい笑いと、それを押し通した深田恭子のツッパリへの涙で、もう笑いながら泣いてるんだか、泣きながら笑ってるんだか、そうとう顔筋も混乱してたと思う。

二番目に笑ったのは、深田恭子のナレーションが流れる中、モデル撮影中に暴れまくる土屋アンナの場面かな。

とにかく、観終わって「あーおもしろかった」と、一点の曇りなく言える映画。エンドロールでちょっと流れた『王子と乞食』ばりに二人が衣装を交換するみたいに、役柄入れ替えバージョンで撮ったものもおもしろそうで、観てみたいなあ。