読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『百年の誤読』

百年の誤読読書の面白さって、同じ作品でも読む状況によって、加速したり減速したりするよなあ、と思いを新たにさせる評論書。論われてるのは近代百年のベストセラーなんだけど、その中には当然、かつてよく現代国語の教科書に載ってた作品もどっさり。それらの作品はいちおう、教科書に載るくらいだから、よい文章のお手本として載ってたりするわけだけど、ぜんぜんそう思えない作品もいっぱいあった。

でも、それって自分の経験が足りないから読み取りスキルがなくて、そういう文章のよさがわからないのかなあ、とか思ってたけど、やっぱりそうでもないみたい。逆に、学生のころ、教科書の限られたページでも「すげぇ」って思った文章は、やっぱりすごい。

あと、その後人生経験を些少なりとも積んだおかげで、よりリアルにおかしみや哀れが読後感に染み込むっていう体験もできるようにはなってるかなあ。

そういうあたりまえのことが確認できて、安心できた本でした。

反社会学講座

反社会学講座ネットで、横書きで書かれる学術論文に対抗してのおちょくりスタイルに笑わせてもらったあと、単行本でも笑ってます。しかし、著者は『反「反社会学講座」』を誰かが書いてツッコミ入れるのを待ってるんじゃないの?