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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

洗練を握る鮨屋

近所に、供されるものすべての最初の一口から後味まで、すべてが洗練されている、としか言いようのない鮨屋がある。鮨屋なので、口にするものは生ものがとうぜん多い。なので、あまりにここの味に慣れてしまうと一般社会で調理材料を買うことも出来なくなるのではないだろうか、という畏れさえ感じさせる洗練具合で、今までたぶん、半年に一回くらいかそれ以上の間隔でしか行っていない。
そこに、先日、ごく少ないボーナスを使って再訪してみた。そしてまた、白胡麻の使い方に驚嘆したり、牡蠣や黒マグロ、イカの恐ろしいほど新鮮なワタと、自家製ポン酢で作った塩辛などのおいしさに咽びそうになる時間を過ごしたのだが、白子がいけなかった。いや、まずいというのではない。旨過ぎたのだ。これでこのシーズン中は、どこかでおいそれと白子を頼むことはできそうにない。