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きみは、タチコマ

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 13 [DVD]今回もタチコマが進んで犠牲になる最終回。あれ? でもちょっと待って。

核爆弾阻止現場に急行する途中、1体のタチコマが、「TACHIKOMA'S ALL MEMORY」ってファイルを電脳空間に作った領域にしまったり、弾頭に激突する直前まで9体全期がデータ転送してたりして、オリジナルブックレットのスタパ齋藤せんせいの言葉どおり、ファーストからセカンドへの移行で起こったように、「ってコトはタチコマの記憶は!! タチコマのAIが載っている衛星が壊れても、タチコマはまた再生可能!? とか思ったりなんかもして。」なんだけど…


ファーストの最後は指揮命令者を守る行動ということでは、違反行為とは言い切れない逸脱行為をしていたタチコマだけど、その後再生して、セカンドの今回はAIなのに命令違反をするまでにゴーストらしきものが発達したということは…

「死」の体験のデータ化のために、激突寸前までどっかにデータ転送してませんか、もしかして。

そして、最終回の「タチコマな日々」で、9課に新しく装備されたウチコマと出会い頭にごっつんこした途端に桜が見える、ということは、すでにウチコマの基盤にタチコマが作成したり転送したデータファイル、仕込み済み? そして、ウチコマ内部にいると思われるタチコマが、みんなを見かけない意味って?


そしてそして、クゼがさいごにつぶやいた言葉と、彼の革命思想の達成される世界は、映画「攻殻」の人形使いが棲む世界そのものじゃないですか。ってことは、プロジェクト2501とは、ネットの海に先に入ったクゼを取り込んで、意思を持つ生命体になった人形使いのこと? だったら、人形使いが素子に興味を持って嗅ぎ回って、挙句の果てに融合したがるわけも納得できちゃうなあ。

しかし、そしたらバトーさん、フラれっぱなしじゃないの、何度も何度も何度も。かーいそうに。そりゃあ原作と似通った状況で桜の24時間監視をする素子を見つめてためいきもつくわい。神社で花見だなんて、クゼ+『近代能楽集 (新潮文庫)』を偲ぶにはうってつけすぎるシチュエーションだし。

そんな話を、PPVで先に最終回まで見終わったきみと、するはずだったのに。


そういえば、明日が養成所第1日目だというときに、「お帰り」ではじまって、「おめでとう」で乾杯して、「がんばれ〜」で解散した日に、きみは言ったね。

「なんで美人でもないあたしみたいなんが受かったんやろ? トシだって若くないし」

あのときは、そりゃーいろんな人材がいないとね、という当たり前のことしか言えなかったけど、芸能の世界は、素子やクゼ、プロトみたいのだけが何人もいてもしょうがないよね。フラれてもフラれても「素子ォ〜ッ!」って走ってくバトーさんや、ゴルゴ13みたいに渋いサイトーさんもいないと。

そういう意味では、きみは、おんなじように見えるのに、3体集まるだけで微笑ましいドラマが展開する、みんなに愛されるタチコマのようだったよ。


って、過去形で書くのは、どうもむずかしい。これをこの日付で更新するのも、きみの名前を書かないのも、まだぜんぜんどうしても、信じられないから。