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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

祖父と貸金庫

まだ貸金庫というものが一般的ではなかった頃、母方の祖父・Fが貸金庫を借りようと、以前教えた生徒をつてに、某銀行へ赴いた時のこと。

「どなたか保証人の方はいらっしゃいますか?」と、言われた祖父は、なにがカンに触ったのか、あるいは勘違いしたのか、「わたしは誰にも保証なんぞしてもらう必要はない!」と一喝。貸金庫は結果的に借りられたようですが。

さて、祖父が現役のころ、彼の職場では退官の際、退官する教授は学長室に赴いて、赤門の色つき版画を授与される決まりでした。学部長が「Tさん、取りに行かないんですか?」と促したところ、「あんな若造のところにわたしが?!冗談じゃない!」と、言い放ち、結局、学長が祖父の教授室まで版画を持ってきたそうな。

あまりにも、絵に描いたように、頑固でかんしゃく持ちの祖父さんの話でございました。