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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『太陽』

映画『太陽』オフィシャルブック
夏休み最後の日に見たのですが、なかなか感想が書けず。結局、見た日に書きとめたメモ以上のことは、書けそうにないので、やや補足しつつも、そのまま。

全編セピアカラーの画面の中、B29が大きな魚の姿になって、水槽の中の箱庭みたいにゆらめく東京を爆撃する。押井守がこの映画を好きらしいといううわさも、大きく頷けます。

中身は、ハードボイルドワンダーランド in ヒロヒトな映画でした。やみくろはたしかにいて、「彼」は家族を連れて、その世界から抜け出したのです。

ミステリアスな画面、最小限の演出で、かえって浮き上がるヒロヒトの「人間性」は、上質の古典推理小説みたいでしたね。ブラウン神父ものや、アガサ・クリスティの『検察側の証人』とかを思い出すような。