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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『小さな悪の華』@吉祥寺バウスシアター

お芝居以外でこっちの部屋入るの初めてだなあと思いつつ*1、予備席用の椅子がところどころ並べられた客席に入ると、白人男性がぽつぽつといるのに気づく。年齢的に30代後半か40代前半くらい? 欧米では公開されなかった頃に、この映画*2に興味津々だった世代でしょうか。


そしてカップルがけっこう多い。おしゃれエロ映画だと思って見に来てたら、かなり後味悪かったろうなー、とは上映後に思ったこと。ちなみにわたしは違う意味で後味悪かったです。なんていうかね、思い当たる節、ありすぎ。ああー、カトリックの私立の女子校の十代前半の自意識(とその過剰さ加減)ってこんなものよねと、冒頭からしばらくものすごーくこっぱずかしかったです。日本でわたしの同年代なら、丸尾末広とか戸川純坂口安吾とか好きな感じのありがちさに、恥ずかしさで頬が火照るなどという最近とんとない経験をしました… 


あとアンヌの思いっきりオン・ザ・眉毛な前髪がずっと「?」。あれは15歳の彼女の美意識的に許されるスタイルな設定だったの? ただ、彼女の着けてたティーン用とおぼしきランジェリーがかわいかったなあ。ワイヤーなし、メッシュ地にお花の刺繍パッチワークとか、円形モチーフが連続するコットンレースみたいな上下とか。テキスタイルデサインもすなる母を持つシャトー住まいのお嬢さまっぽさが出てる感じで。ロールのランジェリーはそれに対してかなりグンゼっぽくて、シャトー住まいの超お嬢さまと邸宅住まいのお嬢さん、という設定からかしらと思ったり。サンドレスなんかもアンヌの芥子柄のストラップ付きワンピースに対して、ロールのはシャツ型っぽい地味な色味のチェック柄だったりしたし。


黒ミサ部分は、正統な教会でのミサで、いただいた聖体を食べずに口から吐き出して取っておく、なんていうのからはじまって懇切丁寧な指南って感じで、これは70年代のキリスト教国での上映は禁止されただろうなあ。ロールが誘惑した童貞喪男な牧童にレロレロされるシーンとか、エンストしたアウディ&妻子持ちのおじさんに襲われるシーンも多大な理由ではあるだろうけど。


吉祥寺バウスシアターで2月15日(金)まで、夜9時から予告なしでのレイトショー上映中。

*1:ソクーロフ『太陽』もこっちで上映してほしかった…

*2:http://www.baustheater.com/akunohana.htm:なぜかボードレールがボード「ア」−ルとなっている上映館のページ