読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

2525稼業presents 東京23区ミニチュアワールドツアー第六区 墨田区の巻

せっかく出掛けに地図をプリントアウトしたのにそれを持って出るのを忘れ、「酒屋の次の角を左折」などとおぼろげな記憶をたよりに歩く。


商店街が終わって街灯の明かりもまばら、グレーの工場めいたものを横目に見ながら行き過ぎてしまい、あとから合流予定の友だちにメールしたら、彼女が持っている地図を写メールしてくれ、あ、行き過ぎていた、と気付き、本来の曲がり道まで戻ってまたてくてく。それでもほんとうにこの先に会場があるのか、と、不安顔で歩いていたせいか、会場であるゴム手袋工場跡地、C.A.FACTORY*1の前で待っていた2525稼業のヴォーカルのひとり、achacoさんに「Mmc、だよね?」と不審がられてしまう。そして、そこではじめて正しい建物前に来ていると気付く。


こういう夢ってたまに見るよな… と思いながら建物に入ると、天井が高くて床はリノリウム張りの、ほどほどにレトロな、ちょっと小学校の給食室のようなホール。ライブが始まるまでまだ時間があったのでうろうろすると、その奥の廊下を挟んで向かいにある出演者の控え室は、まんま宿直の守衛さんでも詰めていそうな感じ。


今回は、つい先日のように思うけれど、このライブの一ヶ月前の9月25日に急逝した鈴木新氏の追悼の意味もあるライブ。彼が今年1月に参加した、川崎市市民ミュージアムでの2525稼業ライブが収められているCDを購入。収められているライブの半分は直に聴いたけれど、もう半分はまだ聴くことができずにおいてある。時期が来たら聴くのであろう。


また今回は、さまざまなバグパイプや縦笛横笛角笛使いの近藤治夫さんがゲスト。何年か前に、近藤さんが参加されている中世古楽器のアンサンブルを銭湯で聴く、というライブを、今回のライブに誘った友だちに連れて行ってもらって見に行ったことがあり、不思議なめぐり合わせ、というか世間が狭いのか、自分の回遊範囲が狭いのか、としばし考える。


が、演奏がはじまってしまうとそのようなよしなしごとは飛んでいってしまい、とくにおなじみの2525のレパートリーに近藤さんの古楽器が参入すると、曲のメロディーや歌詞のあたらしい側面があらわれてきておもしろかった。とくに「旅芸人の記録」「ガブリエルのラッパ」あたりはぴったりでうっとり。次々に繰り出される近藤さんの古楽器とその解説もおもしろく、もっと聴いていたかった。



写真は近藤さんと出番を待つ古楽器たち。