読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『ライヴ・フロム・ザルツブルク』

[rakuten:book:13152987:image]

朝から気圧グラフは右肩下がりで「落石注意」の標識みたいになってる。気圧が1000を切るとたちまち頭が痛くなるので、昨日届いたドクダメル指揮のDVDを見て紛らわしてました。


DVDに収録されているのはベートーヴェンの「三重協奏曲」と、ムソルグスキー組曲展覧会の絵」、そしてマーラーの1番、3・4楽章の公開講義付きのリハーサル。


ベートーヴェンの三重協奏曲が軽やかなのにまず驚く。アルゲリッチのパートが音がさほど多くもなくむずかしくもないのに、時折重く異質に感じるほど。ベートーヴェンの5番をCDで聞いたときにもその軽やかさと瑞々しさ、そしてベートーヴェンの楽曲に通底する重さとの対比の鮮やかさに、「『運命』ってこんなだっけ?」と驚かされたけど、シモン・ボリバル・ユース・オケ以外の奏者と競演するとますますその特質が際立つ気がする。


さて、次はこれがお目当てで買ったラヴェル版の「展覧会の絵」。これはなんともカラフルな演奏! 軽くて明るい瑞々しい音だけじゃないからこそのカラフルさ。もともと好きな組曲だけど、ずいぶん聞いたしあらためて聞くまでもないかなと思っていた「展覧会の絵」から、そういう長年の慣れという埃を払い落としてくれるような演奏。


その後アンコール1曲目はお正月のウィーン・フィルでこれを聞かないとお正月な気がしない「ラデツキー行進曲」。ザルツブルグ音楽祭だからということでしょう、客席大喜び。アンコール2曲目は彼らの十八番のヒナステラの「マランボ」でした。


さて、このDVD、1つだけ不満があって、それはカメラワーク。ほとんど1小節ごとに切り替わるのが落ち着かない。時には1フレーズごとに切り替わるし。「マランボ」だけならそれもいいけど、最初から最後までなんだもん。ゆったりした曲調の場面でこれをやられると、ほんとに落ち着かない。小さい時のリトミック教室での、ピアノは4拍子だけど動きは3拍子、とかいうお稽古を思い出します。そう考えるとNHKのクラシック番組のカメラワークは音楽の邪魔をしない熟練の技なんだなあと思います。