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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

首都圏外郭放水路見学会

次の仕事が始まるまで平日に時間があるのをいいことに、毎週火〜金曜、1日3回開催される「調圧水槽(通称・地下神殿)見学会」に行ってきました。しかし… 地下神殿は遠かった! 調圧水槽が見学できる龍Q館がある東武南桜井駅までの電車乗車時間もさることながら、駅からこの施設までが遠い! 事前に地図を見て、徒歩で20分くらいを見込んでいたら、秋晴れの暑いなか、ほぼさえぎるもののない道で40分近くかかりましたよ… これに比べれば調圧水槽まで降りて登る階段116段×2なんてスクワット1回分くらいです。

ちなみに20分歩いたあたりには「えどがわうがんようすいろ」が。のどかです。

そこからさらに15分くらい歩いたところでようやく龍Q館が見えてきましたよ。

なお、途中までは歩道があったのですが、このあたりにくるとほぼ産業道路か広めの農道か、という感じで歩道もありません。じりじりと秋の陽射しに焼かれつつ、トラックに追い越されつつ歩いていくと、ようやく龍Q館の敷地のはじっこに到着。そこから建物エントランスまでゆるい登りでさらに5分。2階で事前予約したことを伝え、見学の際の同意書にサインし、調圧水槽を備えた首都圏外郭放水路がなぜできたのか、どのような働きをしているのかを、ビデオや模型で学習します。調圧水槽だけでなく、首都圏外郭放水路や調圧水槽を操作するモニタールームともども、戦隊ものやランドローバーのCMとかの撮影に使われていることを、廊下に貼ってあるパネルで知ったり(全部サイトに載せたらいいのに!)。

その後、建物屋上から調圧水槽から江戸川への水の出口となる場所や、調圧水槽の入り口を確認後、いよいよ調圧水槽内へ。

このような階段を116段降りていきます。「自力で昇降できない方の見学はお断りしています」としつこいほど言われていたのでけっこうビビっていたのですが、少なくとも下りはまったく負担に感じませんでした。途中から空気が急にひんやりとしてくるのがたまりません。

降りて来て右側はこんな眺め。暗闇にいろいろと妄想をかきたてられます。

左側にはぽっかりと口を開ける深淵が…

回り込んでいくとこんな感じ。ピラネージの牢獄版画みたいでもあり、『スケバン刑事』で麻宮サキが脱出する梁山泊の巨大ダスターシュートを思い起こしたり、あるいは「廃棄物13号」がよじ登ってきそうだなあ、なんて思ったりもし。

さて、降りてまずは説明を受けます。降りてすぐの柱には、2枚のパネルが取り付けてあります。

上は排水運転水位、下はポンプ停止水位です。2つのパネルの中間あたりまでは、泥水に洗われたらしい茶色い汚れがついていました。

さらに、「地下神殿」と称されるこの神々しい風景も、奥のほうは泥が溜まっていたりなどして足元が悪いのもあり、歩き回れる範囲は思ったより狭かったりします。ほかにも「…あの足場に上ってみたい!」とそそられる場所がいろいろ。

実質、地下神殿本体に詣でている時間は15分程度だったと思いますが、とにかく頭の中のいろいろな妄想や夢想を引き出される場所で、正味の時間を超えた体験だったと思います。あの暗い柱の奥から、「紅い眼鏡」をかけた人狼が走ってきてもおかしくない… とかね。

そんな妄想を抱えながら地下から上がってきたら、夕焼け雲がとてもきれいでした。

というわけで施設見学は非常に面白いものでした。完全に1日かかりましたが、巨大構造物好きとしては大満足です。というか、まだ魂があの地下20メートルから戻ってこれていない感じで夢心地。

なお、11月14日の土曜日には、駅からシャトルバスが出る特別見学会もあるようです。平日に行けない&徒歩で40分近くも歩いていくのイヤンな方は、ぜひ。