読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『明治 大正 昭和 不良少女伝 〜莫連女と少女ギャング団〜』

自分が読みたいものを書きたいように書く、という著者の媚びない姿勢あふれる文体のおかげで、ひさびさに読み終わってすかっと面白い本でした。とくに興味深かったのは「イタリー人狙撃事件」。当時の朝日新聞東スポみたいに読むものの想像をあおる文体で書いている記事の写真を見ると、年齢にそぐわない母子の服装に、どことなく楳図かずおの『洗礼』なんかも彷彿とさせられ、興味がつきないのです。妄想スキーとしては妄想のネタの宝庫のような一冊でうれしいかぎり。


ちなみにちょっと前ですが、1月22日にジュンク堂新宿店で行われた「夜のプロトコル・アカデミー:講座05回“ジャンダークのお君”からニコール・リッチーまで〜不良少女、セレブとビッチの100年史〜」を聞きに行ってきました。会場は早く行ったからお友だちと並んで座れたものの超満員で、ああ、こういう切り込み方で近現代を見る本を欲してた人はこんなにたくさんいたんだな〜(自分がそうなので)、となんとなく納得。


というのも、「人生はチョコレートボックスのようなもの。開けてみるまで何が入っているかわからない」という言葉が出てくる映画があるけれど、実体験以外の報道やら噂話やらそこからの妄想やらで彩られる情報を大量に目にせざるを得ない大多数にとっては、自分の人生より世間というものに「虚実入り混じったチョコレートボックス」を期待しちゃう、その好奇心が廃れるっていうことはそうそうないし、その方向性が同時代だけに限定されるなんてこともないだろうと思っていたので。


さて、そんな『明治 大正 昭和 不良少女伝 〜莫連女と少女ギャング団〜』についてのトークイベント「百年『と』不良少女 −女の子が夜になっても遊び続ける方法−」*1が来週20日、中央線沿いであるようです。以前、こけし屋での木村カナさん司会のモダンガールについてのトークイベントが面白かったので、こちらも期待できそう。あと、平山さんはジュンク堂のイベントに先立っての乃木坂でのトークイベントの際と帯だけ同じで、がらりと雰囲気を変えての和装が素敵でした。乃木坂での和装が不良少女の統領っぽい派手さとすれば、今回は不良少女が一人で遊びに行くときのような感じ。そのあたりも楽しみです♪