読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

Tibet Peace Walk in JAPAN@横浜

11月13日、APEC首脳会議に合わせ、開催地である横浜市で、在日チベット人コミュニティ(Tibetan Community Japan)主催の、チベット・ピース・ウォーク・イン・ジャパンが行われた。参加者は約140人、うち20人ほどが在日チベット人だった。


ピース・ウォーク前の集会は予定通り11時半に開始。まず在日チベット人コミュニティの副代表、ドルマ・ツェリングさんが今回のピース・ウォーク開催について次のように挨拶した。


「私たちはAPEC会議および参加国に対し、反対の意を表明してはいません。しかしながら、私はAPECの焦点とする経済問題の重視よりは、まず人権や環境の問題を優先的に取り上げるべきだと考えています。人権や環境の問題を解決できれば、人々は生活や心にゆとりを持ち、結果として経済問題が解決され発展に繋がっていくのではないかと思っております。

チベットには言論、教育、宗教の自由がなく、生きる権利さえありません。そういった状況でも私たちは希望を失っていません。ダライ・ラマ法王の非暴力の道を信じて歩み続けているからです。

このAPECを契機に、参加国の首脳の皆様に中国の人権問題、チベットの問題を取り上げるよう、中国政府に働きかけてくださることをお願い申し上げます。もう一つの目的は、チベット問題をより多くの人に知っていただき、チベットに対し日本の政権を動かしていただくことを心より望んでおります。

チベットは死にかけています。チベットを助けてください!』」


続いて、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表、ラクパ・ツォコ氏からの次のようなメッセージが、ドルマさんにより代読された。


APECの目的はアジア・太平洋地域での経済について討議することであり、我々はAPECに反対の意を表明することはございません。しかし、言論の自由と人権が守られない経済発展には意味がありません。

APEC諸国の首脳の皆様に、2008年3月のチベット蜂起を思い出していただきたく存じます。多くの人が殺され、拷問を受けました。チベットは今でも戒厳令下にあると言ってもよい状況です。

50年にわたる暴政の後もチベット人の魂を壊すことができないと知った中国政府は、中国語化政策によりチベット文化とアイデンティティの根幹であるチベット語を葬り去ろうとしています。この重要な犯罪を、APEC首脳の皆様が看過し、中国共産党政権のチベットにおける行為を黙認するなら、歴史が許さないでしょう。

中国首脳がダライ・ラマ法王との会談を開くよう、APEC首脳の皆様が中国に要請してくださいますよう、お願いします。」


その後、長野県の善光寺徳行坊住職の若麻績敬史師が次のように挨拶された。


「今日来て下さった警察の方々がすでにご存知のように、われわれチベットを支援する者のデモは、決して暴れたりはいたしません。みな、仏教徒として非暴力と対話でチベット問題を訴えてきています。本日も日本人らしく、仏教徒らしく行動いたしましょう*1


また、牧野聖修氏(衆議院議員民主党)からのメッセージをドルマさんが代読された。


「グローバル社会の進展は世界の勢力図を大きく塗り替えようとしています。こうした情勢のなかでチベット人に対する抑圧が固定化されてはなりません。私は、21世紀の政治課題の柱は、人権と貧困であると確信しています。この解決なしに真の世界平和や繁栄はあり得ないと考えるからであります。

私もこれまでと同様、非暴力と対話の精神を貫いて世界の人々とチベット問題の解決に対して前進して参る決意です。国政に身をおくものの一人として、ご参集の皆さんへの連帯のメッセージを送りいたします。」


最後に登山家の野口健氏からのメッセージがSFTJ(Students for a Free Tibet Japan)の金田さんにより代読された。


「21世紀の今日、世界中のあちこちで人権問題が起こっています。特に2008年にチベットのラサで起きた流血事件は世界中から強い関心と憤りが寄せられました。中国は、チベット問題は『内政問題』で国際社会からの声を『内政干渉』だと片付けようとしています。

沢山のチベットの人が捕らえられ、拷問されたり、死亡したり、また多くの町や家や寺院が破壊され、毎年、命がけでヒマラヤを越えて亡命しているこの事実は、決して『内政問題』ではなく、まさに『人権問題』です。

私は、『人権問題』に国境はないと考えています。今回、皆様方と一緒に行動することができなくてとても残念ですが、皆様方の勇気ある行動に賞賛を送ります。」


その後、チベット本土での中国政府によるチベット語教育禁止に反対する抗議の署名募集についての案内、ピース・ウォーク中の行動への注意事項が伝達された。また、チベット語教育禁止に反対する意味で、チベット文字を一文字ずつプリントしたものを参加者の背中や荷物に貼ってのピース・ウォークとなった。


ピース・ウォークは12時に山の手の住宅街にある御所山公園をスタート。コースは横浜スタジアムまでの約2キロ半のコースで、途中には在日中国人の多いと言われる繁華街、伊勢佐木モールも含まれていた。このため沿道からの妨害も心配されたが、さいわいなことにモールでは沿道の方から「がんばれー」という掛け声や笑顔での拍手がたびたび送られ、緊張気味だった参加者の雰囲気もやわらいだ。これにより平和的にチベット問題をアピールすることができた。


以下はいつも写真を撮ってくださる「ねこみみ」さんの今日のデモの写真です>
http://nekomimi.la.coocan.jp/free_tibet/ft101113/


Phayul>
http://drichu17.phayul.com/news/article.aspx?id=28556


SFT HQ Official Blog>
http://blog.studentsforafreetibet.org/2010/11/students-for-a-free-tibet-japan-protests-chinas-wen-jiabao/

*1:若麻績敬史師のスピーチ内容のみ資料がないのでうろ覚えです。また、他の方のメッセージについては要約となります。