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ピナ・バウシュ 夢の教室、Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち



朝から神泉へ。平日のモーニングショーで、短館なので水曜千円じゃないのにかなりの入り。ふだん円山町に縁の薄そうな真面目そうな熟年世代や中高年が多かったです。予告映像から、お涙頂戴的な流れかと心配してましたが、見事に杞憂でした。

『ピナ・バウシュ 夢の教室』の内容は、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』よりもダンス表現への過程中心で生々しい。なにかを得るにはなにかをさらけ出さなきゃいけない、でもそのやり方をまだ会得してない若者たちのはがゆさが、その年代をとうに過ぎた身にもこそばゆい。

映されてる若者と同年代の若い人たちで、なんらかの表現活動をしてる人は見ていてかなりヒリヒリするんじゃないかしら。趣味で表現活動してる中年のわたしでも、ところどころ、ピリッと来ました。だから、ラストはホッとしたなあ。

3D映像が大丈夫な方は、ぜひ『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』と近い日にちで見ていただきたいです。

 

ところで8日に、公開劇場がどこも、見ると眼鏡の度を変えた時みたいに頭痛がする方式の3Dなので、迷いましたが、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』をすいている平日に見に行ってきました。3Dで料金割高なせいか、けっこうがらがら。

上映中、言語化できる感情の部分は何も揺さぶられてないようなのに、何度か涙が唐突にあふれ出てきて、びっくり。ピナの言う「言葉に出来ない瞬間(は、確かにある。その言葉に出来ない何かを、感じてもらうのよ)」が、彼女の舞踊言語によって伝えられた結果なのでしょう、舞台で見ているときよりダンサーの表情が迫ってくるのもあってか、視神経から脳にいたるシナプスがショックを受けての涙なのかもしれません。ともかく、リアルに劇場でヴッパタール舞踊団を見たときとはまったく違う経験でした。

『春の祭典』『フルムーン』『コンタクトホーフ』、その他すべてが美しいです。美しいといっても、クラシックバレエのように、モデルのような均整のとれたルックスのダンサーばかりが完璧に踊る、という美しさではなく、もっと切実で、生々しい美しさ。3Dであるべきかはともかく、大画面で見るべき作品だと思います(個人的には大画面であれば2Dでもいいんじゃないかな……、と思います)。