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第2回 昭和20年代のカラー写真を見る夕べ

昨夜は仕事帰りにいぬこさんの「第2回 昭和20年代のカラー写真を見る夕べ」へ。写真は真実を写しても、人間のほうがそれを正しく受け取れるとはかぎらない、ということを実感しました。

たくさん見せていただいた昭和20年代の仙台や立川、福岡その他日本各地のカラー写真のなかに、ハツカネズミみたいなペットの小動物売りの写真があったのですが、この写真、カラーとモノクロではぜんぜん印象が違うと思います。今回見たカラーの写真は回し車もあるキッチュな色遣いのカゴのなかにげっ歯類たちがいて、ペットとして売られているのですが、これ、モノクロだったら回し車などは潰れてしまって、ペットではなく「戦後の食糧難でネズミを食用として売り買いする日本人」というキャプションがついていてもおかしくなさそう。

そこで思い出したのが、さいきん読んだこの記事。

http://cratesandribbons.com/2012/09/30/the-kissing-sailor-or-the-selective-blindness-of-rape-culture-vj-day-times-square/

「V-J Day in Times Square」のタイトルで知られる超有名写真のキスする男女が、恋人でもなんでもない、という内容。それを知ってからもう一度、写真を見ると、女性の体がまったくリラックスしていない、むしろ強張っていることに気付かされます。

この二人は恋人あるいは夫婦だろうという思い込みがこの写真のロマンチックな意味でのイメージ流布を進めてきたように、日本の戦後もモノクロ写真によって暗いイメージをまとわされている部分があるのかもしれません。