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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『ライナー・キュッヒルが贈るブラームスの世界』@ヤマハホール

聴いてきました。痺れました。心もですが、物理的に、腕が。

なにせ重力感覚とか平衡感覚などまで操られるような凄い演奏! 知らず知らずに力が入ってたのか、一楽章だけで右腕が痺れてたり、歌の翼に、ならぬ、音の翼に完全に乗せられて、自分の足が床に着いているのを、演奏の切れ目で確認するような場面もありました。

席が2階最後列はじっこで、小さいホールなのもあり、立ち上がると転がり落ちそうな傾斜を感じるのですが、ますます傾斜がきつくなったように感じられる時もあったり。それはたぶん、スリリングな演奏に、いつの間にか気分だけは前のめりになっていたのかもしれませんが。実際には、前のめりにはなれないほどの演奏の迫力で椅子に音圧で押し付けられている状態でした。

アンコールは2回で、ブラームススケルツォと、クライスラーの中国の太鼓。後になるほどキュッヒルさんノリノリでした! さすが、年間休日10日でも、ヴァイオリンを弾くと疲れが取れる♪ 、と言ったという音楽的強靭さ。帰りに家におみやげを、と銀座三越地下を歩いても、何も頭に入ってこないほど、おなかいっぱいに美味しい音を詰め込まれた感あり。