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ルキノ・ヴィスコンティ『家族の肖像』@岩波ホール

同じヴィスコンティの『ベニスに死す』と、ルネ・クレマンの『太陽がいっぱい』を思わせる。どんな美女や美少女をキャスティングしても、やっぱりヘルムート・バーガーだけがヴィスコンティにとっての主役で女神だというのが、大画面&デジタルリマスターされた美しい映像からばりばり伝わる。

娘役がデビュー当時のエリカ様を彷彿とさせたり(いや、逆なんだけど)、侯爵夫人に魔夜峰央『ラシャーヌ』の、カイヌンの眼で美少年をコレクションしている夫人の原型を見たり、そもそもヘルムート・バーガー魔夜峰央作品に出てくる一筋縄ではいかない美青年を思わせる(いやだから逆なんだけどね)。

衣装や美術が素晴らしく行き届いているのも、デジタルリマスターされてさらによくわかるようになった。岩波ホールでの上映はそろそろ終わりかもしれないので、機会を逃している方はぜひ!