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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

イングリッシュ・ナショナル・バレエのコッペリア@東京文化会館

昨晩の公演が今夏の日本ツアー1日目。が、プロローグの一音めからして、あ、今日はダメな楽団……、という残念感。もう東京シティ・フィルハーモニック使うのやめてほしい! が、こういう時に限ってアンケート用紙のない公演だったり。

そしてスワニルダが、ENBの芸術監督であり、リード・プリンシパルのタマラ・ロホの回だったのですが、1幕からどうも決まらないところがあるな、と思っていたら、3幕で信じられないようなミス。そこからはロホの笑顔が演技に没入しての笑顔ではなく、張り付いたような作り笑顔に、むしろ豪快なまでに華麗な踊りが魅力だったのに、次なるミスを恐れてか、踊りが小さくまとまってしまった。それでもなおふらつく場面もあり、もしかして彼女主役の全幕ものは、そろそろ見られなくなるのかもしれません。

内容的にはわたしの加齢のせいか、コッペリウス博士がかわいそうでかわいそうで。3幕でいろんな人形のパーツを抱えて怒鳴り込んでくるところは、「お前らのとこの若いもんのせいで、わたしの長年の夢がズタボロだ! この不揃いのパーツのように!」と言っているようで泣けてしまいました。
コッペリアが命を宿したのではなかったと突き付けられてから、そんなはずは! と、人形を分解して原因究明してたんじゃないか、とか、仲直りしてからフランツが溌剌と目の前で踊るのを、見るだけでもつらい気持ちなのでは、と人形作りには才能があるけど人付き合いは苦手な非モテと、諸星あたるのようなモテとの残酷な対比を思ったり。

なお、黒人ダンサーや、スパニッシュなのか、ヒンズー系っぽい肌色のダンサーもいて、同じ衣装でも白人、東洋人とはまた違うふうに似合うので、いつかそんなダンサー主役でバヤデールを見てみたいと思ったり。
あと、花嫁花婿の友人たちの見せ場では、スワニルダとフランツは親戚に挨拶とかして回ってるのかなー、とか小町の読みすぎか現実的なことを考えたりしました。