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『ガラスの仮面』展@松屋銀座

・8/30:一回目
この日、ガラスの仮面展でびっくりしたのは、思ったより原稿用紙が大きくないこと。そしてあまりホワイトが入っていないこと。あっても目の描き直しか、ホワイトで描く部分。わたしは下描きとだいぶ違ってしまうことが多いので、プロはやはり迷いなくペン入れするのだなー、と集中力の差に当てられたのだった。美内先生のストーリーテリングは素晴らしいと思うんだけど(特に短編)、絵柄は「花とゆめ」作家のなかでは実はあまり好みではなく、熱心に単行本を集めたりはしていなかったんだけど、今回の生原稿の綺麗さと小ぶりさは衝撃でした。なおツボだったのは速水社長の秘書・水城さんの人物紹介一行目に「千葉県出身」とあったことです。他の人にはそういう記述は特になかったような……。

見終えて喫茶月影で月影先生に怒られながら白目パフェ。ちょっと残念なのは、喫茶月影は阪急うめだの展覧会でのほうがメニュー充実、白目パフェも白すぐり付きで好みなこと。紫バーガーとかもあったらしいじゃないですか! 松屋銀座はパフェと甘いソーダフロートのみ(と言っても各4種展開)なんだもの。

あとグッズコーナーで主要登場人物たちがそれっぽい口ぶりで商品紹介をパロディでしているのが面白すぎて、写真を撮らなかったことを悔やんでいる。白目ファイルとマルチクリーナー(メガネ拭き)を買い忘れたので、また行って撮ってこなければ……。そして図録のほかに白目マステなどを大人買い紅天女興行手ぬぐいとか一部白目グッズは売り切れで、9月1日とか今日夕方に入荷だそう。

・9/1:二回目
初回は生原稿の凄さに当てられて、あまりきちんと会場空間を堪能出来なかったので再訪。二週間足らずの会場だけど、とにかく凝ってます。まず入ってすぐ、日本ではタモリ解説のドラマ版「世にも奇妙な物語」のイメージが染み付いてしまったプロコフィエフロミオとジュリエットが鳴り響くなか、スクリーンに名場面が映し出される空間の壁は、本展示のために独自に作成した作品内での演劇作品のポスターの数々。出演者はマヤや亜弓さんだけでなく、作品内では名前のなかった人も考案して記載、演出家としてもちろん小野寺先生の名も!
しかも、一枚一枚プリントアウトしたものを、ライブハウスの壁みたいに重ね貼り。これは直に見るとポスターの質量物量と、デザイナー祖父江慎の才能と執念に思わず白目になります。

作品紹介は透明アクリル板で割れたガラスの欠片を表現。紙を貼ったボードもあるけど、とにかく形や貼られ方、刺さり方のバリエーションがある! 壁の色はコーナーごとに異なり、白目で超アップの亜弓さんや、「ここを通るならその熱湯をわたしにかけて行きなさい!」とマヤの母に凄む月影先生、いよいよマヤが女優として歩き始める手前には劇場を思わせる赤い緞帳が、そして紫のバラのひとの部屋の壁紙は紫の濃淡の薔薇の写真で埋め尽くされている!
さらにゾッとしたのは、紫のバラのひとの部屋の出口に詩織さんコーナーがほんの一壁面だけあるのですが、その壁紙も速水さまを想うあまりの詩織さんの狂気を表す壁紙になっていること。

会場なかほどには美内先生のビデオメッセージと、鉛筆描きからペン入れまでを写した映像があるのですが、生原稿を見ながら背後からのペン入れの音だけ聞いても迷いがない……! 鉛筆書きの下絵はけっこうごちゃごちゃしているところもあるのに、あの中からどうやって最適な線を選択してあの速さで描いていけるのか! そして展覧会用のビデオメッセージは、誰もがふふって笑ってしまうところがあり、みんなそう思うよね、とニヤニヤしたり。

グッズコーナーでは、どうかしてるお土産おすすめせりふを語る主要キャラを撮り、先日、品切れで今日入る予定だった手ぬぐい、そしてメガネ拭きをゲット! なお白い紙を挟むと描かれてる人たちが白目になるクリアファイルは売り切れの模様。
このデザインの手ぬぐいは買わなかったんだけど、フェイスタオルとかだったらいかにも新聞社とか大手出版社が作りそうなデザインでクスッと笑ってしまった。

亜弓さんとマヤの泥まんじゅう対決……!


それにしても会期、二週間足らずって短かすぎ。三週間は必要なのでは? あと地下鉄からの松屋銀座の通路の柱は、たくさんある一本だけガラスの仮面展で、あとはぜんぶロクシタンオープンだったのも意気消沈。一本置きとは言わないけど、せめて両端はガラスの仮面展のお知らせにしてほしかった。こういうところにマンガという表現への軽視を感じてしまうのは、わたしの気のせいでしょうか?

・いよいよ明後日までの「ガラスの仮面展」ですが、さすがに三回目は行かないかな。紅天女ポスターに主演者の名前が入ってなかったのは見逃しましたが……。
入場料1,000円であれだけの生原稿が見られて、グッズは(白目グッズが一部欠品のようですが)日本製が圧倒的に多く、しかも小学生でもなにかしら複数買いできるようなくらい、一つ一つの価格帯がこの手の他の展覧会より少しずつお安いので、迷ってる方はぜひ!
写真は二回目に買い足した紅天女興行記念手ぬぐいと、二種あるのかと思っていたら、表と裏で違う柄のメガネ拭き。