読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『ELLE』@TOHOシネマズ新宿

ヴァーホーヴェンっぽい悪趣味とブラックな笑いを楽しめる映画『ELLE』。どの映画を見に行こうかと、前夜に町山智浩氏の紹介音声(テキスト版はこちら>http://miyearnzzlabo.com/archives/43536)を聞いていて、「この主人公はサイコパスなのでは……?」と思っていたのですが、まあ、当たらずとも遠からずかな。そうなってしまった理由をいろいろ考えてしまったり。
この手の映画が大丈夫な方にはぜひ見ていただきたいので詳細は控えますが、『アウトレイジ』ふうにキャッチコピーをつけるなら「全員、変態」。なお夫の人はレンズ沼住人らしく「あんな重い手ぶれ解消装置もついてない双眼鏡を片手で持ってあんなことできるか!」と突っ込んでおりました。

さて、ここからは妄想の時間。「全員、変態」な映画ながらも、主人公の息子とその彼女は特に変態にも見えない、のですが、ここでわたしの妄想爆発。

主人公ミシェルの息子・ヴァンサンの彼女・ジョジーが、二人とは肌の色の違う、おそらくヴァンサンの同僚の、ジョジーの出産時にもなぜか病院に来ている黒人男性との赤ちゃんを産んだ経緯のBL妄想が止まらない……。

ヴァンサン「きみの子を産みたいくらい、きみが好き!」
黒人同僚「おいおい、無理言うなよ〜」

ヴァンサン「彼と別れることになっても彼との子どもがいれば耐えられると思うけど、産めないし……。ぐすん」
ジョジー「しょーがないわね、あたしが産んであげるから、二人で育てよ?」
ヴァンサン「えっ、マジで?!」
ジョジー「マジ(こいつ、ほんとバカ。あたしがなんでそこまであんたのためにするか、わかってんの?)」

ジョジーは「誰のために、なんであたしがこの子産んだと思ってんの?」と思ってるから、父親になってもしっかりしないヴァンサンを見るにつけ怒りくるうし、ラストシーンでは自分が好きなヴァンサンとの子ではないから、車の中に忘れそうにもなるし。

こういう経緯だと考えれば彼女が彼にムカついて怒鳴りつけまくってるのも腑に落ちるよなあ、と。ミシェルがヴァンサンに「だってあなたの子じゃないじゃない!」と言うたび、ヴァンサンが涙目になってまでキレるのも、こういうことなら納得できる。


ちなみにミシェルは二人の結婚前に家賃を払ってあげるという名目のもとに新居を見に来るけど、予想より広い家だし、その前にミシェルはヴァンサンに、「ジョジーの男友達は一緒に住まないでしょうね?」と聞いているのも怪しい。写ってないところでヴァンサン×黒人同僚と、ジョジー親子の生活があるのでは? と考えてしまうわけです。

いやー、妄想の捗るいい映画でした!