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放射線治療のメリット・デメリット

三月になって雪が降るのも珍しいので、今日はちょっと外出、セブンイレブンのイートイン席からお花見をしました。

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さて闘病ブログ的な話を。

1.5センチ四方の乳腺内の乳管異形成を手術で切除、その切除した細胞を病理解析して、ようやくそれまでの「乳がんなのか、良性腫瘍なのか」の疑問に「乳がん:ステージ・ゼロ」と評価が定まりました。

評価が定まらないと治療計画を立てるか立てないかもない、そして乳がんじゃないとここまで手術入院その他でめんどくさくも大変なのに保険金の請求もできない、とかいろいろ複雑な患者心がありました。

で、乳がんだと確定したので、わたしの場合は再発防止のために放射線治療を受けることにしました。この治療はわたしのようなステージ・ゼロのがん患者が受ける場合、メリットを感じづらく、デメリットはけっこうあります。今日はそのあたりについて書いていこうと思います。

なお、治療に使われた機械はこのようなものです。

リニアック (放射線治療装置)|放射線部|医療技術部門(コメディカル)|洛和会音羽病院(京都市山科区)-救急指定病院

 

デメリットその1

土日祝日除く月曜〜金曜の25日間、毎日決まった時間に病院に行き、治療を受けなければいけないこと。途中でインフルエンザで一週間とか間が空くと、最初からやり直しです。

わたしの場合、仕事時間が午後からなので、出社前に病院によるかたちになりましたが、それはその分、いつもより早起きしなければいけないということ。治療時間が決まっているのもあり、10〜15分程度の治療のためにいつもより二時間早く起きる日々。これ、最初のころは仕事時間中の変な時間に猛烈な眠気が襲ってきたりもしました。

 

デメリットその2

日焼けのような「放射線焼け」で皮膚が荒れること。この図のように定規を当てて線を引いたかのようなほぼ台型状に赤くなりました。

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治療の途中からキュレルという乾燥肌用ローションを塗り、それでも肌が痒くなり、ステロイド入りの塗り薬を処方され、25日間の治療が終わって七日経つ今も塗っています。

特に痒いのが、上の図の点線で表した右の脇の下。ここがなぜそんなに痒いのかというと、治療の際は、腕は頭の上なので、脇の下が線源に一番近くなります。図で表すとこんな感じです。二本の点線の始まるあたりが線源です。

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左から照射したあと、右からも放射線は当てるのですが、身体の反対側からなので距離があり、右の線源にいちばん近い胸の中心はそこまで焼けません。

 

デメリットその3

これは2の派生系なのですが、放射線治療をした部分は汗腺の働きが悪くなるとのこと。

人によっては「そういえば夏なのに治療したところだけ汗をかかない」くらいにしか影響はないそうですが、汗だけでなく脂も出にくくなるので、肌はずっと乾燥肌かつ、他の部位と微妙に質感が変わるとのこと。

 

デメリットその4

治療中は、治療部位に放射線治療の照準を合わせやすくするため、油性マジックでガイドラインを描かれます。うろ覚えですが、こんな感じ。

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これが下着に色移りすること甚だしい! ふつうに洗濯機で洗ったら落ちましたが、それまでは「治療中の下着を全部、黒にしなければいけないのか?」とか悩みました。

しかも、「消えないようにここはお風呂でゴシゴシ洗わないでね〜」というのがめんどくさい。そしてなるべく気をつけていても消えてくるわけで、週に1〜2回は上描き。これがくすぐったい。しかし描いてる放射線技師さんたちは真剣なわけで、笑える状況じゃなく……。

 

メリット

「え、じゃあメリットは?」というと、これがデメリットみたいにわかりやすいものじゃないんですよね、今のところ。

強いていえば、25日通院し切った達成感込みでの再発防止への安心感というか。

そういう意味では放射線治療を受けない選択をする人がいる、というのもよくわかります。治療費も健康保険の三割負担でも高額だし。

じゃあ、なんで自分は放射線治療を受けたのか。それはやはり、喘息だの腎臓膵臓の機能が弱いだのと不調をすでに抱えているので、摘める芽は摘んでおきたかったということに尽きます。

まあ、それでも再発してしまったら、高い賭け金になったな、と思うしかない。それに備えて、これまでの12年と同じく、これからも年一回の乳がん検診は欠かさないでいくつもりです。