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世界バレエフェスBプロ

今日は世界バレエフェス Bプロへ。昨日が遅番の勤務日だったのでなかなか起きられず、前奏の間に席に滑り込むという迷惑行為を働いてしまった……。鑑賞中は、今日は朝のクラスレッスン見学がなかったのと、2回目の休憩にレストランでサンドウィッチを補給したので、Aプロのときより気絶頻度は少なくてすみました。

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記憶に残ったことをメモしていくと……

◆オレシア・ノヴィコワとデヴィッド・ホールバーグの「眠れる森の美女」。古典作品のなかでこの全幕でのオーロラ姫がいちばんキツい、というのを以前にどこかで読んだときには「白鳥の湖のオデット/オディールのほうが難しくない?」と思ったものでしたが、何度も見ているとオディールの32回転のような大技はないものの、ローズ・アダージョとか総合的に見て、これはたしかに全幕はキツい演目かも。ノヴィコワは破綻なく、ただあまり「おおっ」という印象もなく……。ホールバーグは二回ほど、ん? 今の着地ちょっと揺らいでた? というところがあり、トップバッターのせいかなあ、などと思っていたら、今年の春に肉離れを起こしていたみたい。

デヴィッド・ホールバーグ、またジゼル降板と怪我についてのメッセージ | 花梨か蓮花のブログ

 

◆ヴィエングセイ・ヴァルデスとダニエル・カマルゴの「ムニェコス(人形)」。「おもちゃのチャチャチャ」のように、夜に人形が動き出し、夜明けにまた人形に戻る、というような。バービーっぽい衣装のヴァルデスが「うる星やつら」のラムちゃんがあたるに絡むみたいに兵隊さんのカマルゴにくっついていくんだけど、なかなかうまくいかないのがもどかしい。人形的なぎくしゃく動きとバレエダンサー的な滑らかな動きの対比が面白い。

◆シルヴィア・アッツォーニとアレクサンドル・リアブコの「オルフェウス」は竪琴がバイオリン。イデアとエイドスについて考えさせられます。

◆アリーナ・コジョカルとセザール・コラレスのプティ版「コッペリア」は、コジョカルがかわいすぎて、「なんでコラレスはそんなにつれなくできるの~!」と思ってしまった。でもそのあとのコラレスの回転や跳躍のすごさを見ると、自信満々のツンデレキャラなの? とも思える。

◆タマラ・ロホとイサック・エルナンデスの「HETのための2つの小品」は、衣装とロホの目力がすごい! ツン9割デレ1割くらいのツンデレぶり。Aプロの「カルメン」でもこれくらい翻弄してほしかったなあ。「カルメン」ではエルナンデスがマザコン兵士な役柄に対してカッコよすぎて、むしろカルメンが心変わりする闘牛士っぽかったのもあり。

 

https://twitter.com/IsaacHdezF/status/1028191012160598016◆アシュレイ・ボーダーとレオニード・サラファーノフの「黒鳥のパ・ド・ドゥ」はあまり印象に残らず。というか、なぜサラファーノフはいつも七三分け郵便局員みたいなマジメ髪形なのでしょう……。オディールより凝った衣装なだけに、古典バレエっぽくない髪形がどうしても気になる……。

アリシア・アマトリアンとフリーデマン・フォーゲルの「椿姫」の白のパ・ド・ドゥ。幸福そうなんだけど、アマトリアンがふっと引くような瞬間が、この物語のこの後の不幸を暗示するような。

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◆メリッサ・ハミルトンとロベルト・ボッレの「ロミオとジュリエット」のバルコニー場面。ボッレは当然のごとく素敵でしたけど、……うーん、ジュリエットが薄味。かつて見たアレッサンドラ・フェリ吉田都の同じ場面のような、少女の弾ける初恋具合が、ない。この場面、ロミオは別に初キスとかじゃないはずなんですよ。童貞でもないはずで。なので、どっちかというとジュリエットの初恋の制御できなさを見るものだと思っていたんだけど、違うのかしら。

 

◆ミリアム・ウルド=ブラームとマチアス・エイマンの「ダイヤモンド」。ロパートキナ様の踊ったのが自分の中でクラシックになっていて、つい比べてしまう演目。 前回のバレエフェスだったかと思うのですが(前々回かも……)、凄かったのです。相手役いてもいなくても一緒、くらいの踊りの眩さで。

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今日は男性パートはマチアス・エイマンでしたが、彼は持ち味の可愛らしさがこういう役の時に邪魔になるような。ドン・キのバジルなんかはぴったりだと思うんだけど。

 

◆アリーナ・コジョカルとヨハン・コボーの「マノン」の沼地。コジョカルの瀕死度がちょっと足りないかなあ、とは思ったのですが、最後は涙が……。

◆サラ・ラムとフェデリコ・ボネッリの「アポロ」は、ボネッリが人間くさいというか、ギリシャ神話のエピソードを彷彿とさせる感じでした。ただ、パートナーのサラ・ラムが薄味で……。Aプロの「コッペリア」のサラ・ラムがよかったので期待しすぎたかも。

◆アンナ・ラウデールとエドウィン・レヴァツォフの「椿姫」の黒のパ・ド・ドゥは、培われたテクニックと表現力あってこその演技が自然な感じ。もっとオーバーアクションで憤懣を叩きつけるアルマンもいいけど、これもありかなあ、と。

◆エリサ・バデネスとダニエル・カマルゴの「じゃじゃ馬馴らし」、シェイクスピアを現代的に読み下した感じで、現代でも違和感ない演技、かつとても楽しい。

◆マリーヤ・アレクサンドロワとウラディスラフ・ラントラートフの「ヌレエフ」からのパ・ド・ドゥは、なにか美しいものが通り過ぎていった感。衣装も素敵。

◆マリア・アイシュヴァルトとアレクサンドル・リアブコの「アダージェット」、美しかったです。東フィルもマーラーの演奏がんばってた。

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アレッサンドラ・フェリとマルセロ・ゴメスの「オネーギン」。フェリはAプロに続いてすごかった! タチアナが自分の感情を制御しきれなくて激情からの震えを抑え込んでいるような踊り。最後の慟哭も胸を打つ。このペアだけカーテンコール収まらず、二回でした。

 

◆トリはシムキンとコチェトコワ(発音的には「コチェト(k)ワ」って感じじゃないかと思っているんだけど)の「ドン・キホーテ」。シムキンは片手リフトがものすごく安定していて、膂力を感じました。無重力感とやわらかさは相変わらずです。

 

 

そして前回もタグをつけておいて言及しなかった劇伴ですが、NBS主催の公演では生演奏がダメダメなときに毎回のようにアンケートで文句言ってきたせいか、それともKOSEがスポンサーについたせいか、今回はちゃんとしたピアニストでいろんな演目を見られて満足。東フィルも4時間もの間にテイストの違う曲を次々演奏することを考えたらまあまあ。

ただ英語詩を流すなら字幕か、背景にプロジェクションマッピングとかで日本語版を流してほしい。今日は説明的な内容と発音で大意は聞き取れたけど、Aプロの方は抽象的かつちょっと厨2な内容のささやき気味で、うまく把握できず。パンフレットに載ってないかなあ(暑さでバテていて、まだ全部を読めていません)。

Aプロの演目については先に↓ごく少ししか書けなかったので、また後日、記憶の残っている分だけ書こうと思います。

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帰りは世界バレエフェス写真集と、ちょうどいい大きさのスタジオバッグ(カンボジア製)などを求め、アンケートを書いたりしてから出たら、出待ち列の前にちょうど何人かダンサーが出てきたところだったので、人垣の一番外から見てました。間近で見るダンサーのみなさんの顔の小ささに驚愕! 我々が大ならバレエの先生が中、ダンサーたちは小か極小! あと、ハンサムや超ハンサム、イケメンかどうかにかかわらず、舞台から降りると王子様じゃなくふつうのお兄さん・お兄ちゃんに戻る人と戻らない人の差なども面白い。

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それにしてもダンサーのみなさん、親切! 一番内側のファンと自撮りに収まったり、レッスンバッグにサインしてあげたりをほのぼのと見守りました。夫の人のお目当てのシムキンがなかなか出てこないので、切り上げて帰ってきましたが、すっかり暗くなってから出てきた模様。海外のTV局が来てたので、取材対応してたのかもしれません。

 

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帰りに渋谷駅前交差点のロクシタンの上のカフェに入ったら、先週からピエール・エルメとのコラボ店舗になったとのことで、薔薇の花びらやマカロンが刺さってたりするそれらしいかき氷などを頼む人たちを横目に、ラタトゥイユとティラミス、デザート盛り合わせ。ティラミスが意外にも大きめなのと、コーヒーゼリー入りなのがうれしい驚きでした。

 

お題「お祭り」