嗅覚の変容
早起きして出社前に秋の花粉症の薬をもらいに耳鼻科へ。眠い……。
ところで、花粉症の薬は内科でももらえるのに、別で耳鼻科に行っている理由は、ここ数年の嗅覚の劣化のため。今年の春までは耳鼻科で点鼻薬と漢方薬を処方されていたのだが、少し元に戻ったあとは頭打ちで、さいきんは点鼻薬だけになっていた。今後、別の治療法を導入するとしたら、レーザーで鼻腔内を焼くことになる。
料理人でもないし、嗅覚が効かないからといって、ものすごく困る、ということはないのだけど、「これはヤバいのでは?」と耳鼻科に相談するきっかけになったのは、数年前の夏、賞味期限近い肉か牛乳の匂いがぜんぜんわからなかったこと。そして脳裏に蘇る、わたしがミュージカル嫌いになった演目内で、鼻の効かないデブが腐った肉を挽肉機にかけ、ソーセージを作ろうとして、うまくいかずにソーセージの皮が破裂、腐った挽肉が部屋中に弾け飛ぶシーン。
いやそれは困る。生命の危険がある。それで花粉症でかかっている耳鼻科と頭痛の名医に相談しに行ったのである。
今はいい匂いがわかりにくいが、イヤな匂いはわかる、という趣味的にはまずいけど、生命の危機は察知できそうな状況。
どんな感じというと、こないだバレエを見に行ったときに、一幕と二幕で夫の人と席を交換したのだが、わたしがおっさんの加齢臭を感じる席(なおまわりにおっさんは座っていない)が、夫の人には女性の香水キツすぎな席、という感じなのである。
耳鼻科の先生によると、嗅覚の劣化は聴覚の劣化に似ていて人それぞれだという。低い音が聞こえなくなる人もいれば、高い音が聞こえなくなる(モスキート音とか)人もいるし、音がひずんで聞こえるように、匂いがゆがんで感じられることもあるのだという。
匂いがゆがむ! それはいったい、どんなものなのだろう、それは。おっさんがいないのに、嗅覚が発散する香水で運ばれた加齢臭のみにフォーカスしてしまうのもそれなのだろうか?
ちなみに漢字で書くと、「ひずむ」も「ゆがむ」も「歪む」なのだが、わたしの中ではこの二つの言葉は微妙に違う。なお、いつもの日国ではこんな感じです。