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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

猫のように狐が眠る北きつね牧場

もう先月のことになるが、北海道で北きつね牧場というところに行った。フェンスで囲われた中に自然に近い状態でキタキツネが飼育されている観光施設だ。自然に近い状態を保つため、見学者は原則的にキタキツネにさわってはいけない。近くに来てもおさわり厳禁だ。といってもさわれるほど近くになぞ、キタキツネは来なかったのだが。

あと、キタキツネの皆さんは、とにかくぐうぐう眠っている。やはり夜行性なのか。われわれが帰る間際になって、係のお兄さんが用事で入ってきたら、石に駆け上ってみたり、すごい勢いで子ぎつね舎のなかの子ぎつねたちがお兄さんのほうに駆け出して、お兄さんが去っていくと、「キューン、キューン」と鳴いてたり、入ってすぐのお賽銭箱横で置物のように寝てたキツネが起きてきたりした。これが滞在時間30分程度のなかでの唯一、キタキツネたちの動きの激しい時間であった。

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入ってすぐのお賽銭箱横でぐうぐう寝るキツネ。おわかりいただけただろうか。ほんとに入ってすぐなので、こいつが狸寝入りで人間の入場時に脱走を図ったらたぶん阻止できない。
 
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鴨川べりの恋人たちのように、等間隔でシンクロナイズ睡眠ぐう。
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「だれか来たの? あー、係のお兄さんじゃないんだ。寝よ」

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行き倒れてるかのようにぐっすり。呼吸が割と早いのでおなかの動きで「生きてるな」って感知できるほどぐっすり。

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日向ぼっこする皆さん。おじいちゃん的な個体も、目の脇に寝癖のある個体も。

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ぜんぜん寄ってこない。っていうか猫かっていうくらい寝てる。

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「何の用?」
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絡みが見られるかと思ったけど不発。個別に落ちてきた木の実を探っているだけ。
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係のお兄さんが入ってきたのにつられてか、突如アクティブに石に駆け上る若そうな個体も、お兄さんが去るやいなや、ゆっくり写真を撮らせる間も与えず駆け下りる。

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牧場脇の川の風景は、正しく夏の終わりという感じに美しかった。
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川向こうには道の駅おんねゆ温泉
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北きつね牧場は、ほんの三十分強の滞在でも、見て回っているとキタキツネたちの顔立ちの違いがわかってくるのも楽しい。そして、キタキツネは思ったほどサイズが大きくなく、大きめの痩せた猫くらい、姿は犬っぽいけど、しぐさや表情は猫っぽいことを知った。大きさについてはイメージの中で、オオカミと混同していたらしい。ただ、寝ている姿以外のいい写真を撮りたいなら、椅子と三脚を持ち込んで開園と同時に入り、粘るしかなさそう。

それにしてもキタキツネ、というかキツネ全般がこんなに自分の近くにたくさんいる状況というのははじめてで、過去に読んだキツネが登場する物語をいろいろ思い出したりした。

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