安野モヨコ ANNORMAL展@世田谷文学館
◆会場にて
安野モヨコ展、素晴らしかった〜。平日だからか人も少なくて、ゆっくり見られました。殺人的に暑い日だったので(ってもうここしばらくずっとですが)、会場の世田谷文学館最寄りの芦花公園駅に着いて、まずはレモンミルクのかき氷。すごく暑い日で自分が蓄熱してないと、クーラー効いた室内でかき氷食べられないので「今日だな!」と。なお蓄熱が足りないとすごい勢いで内臓が冷えておなかがいたくなります……。
◆帰宅して
帰宅してから買ってきた図録を読んだ。モヨコ先生のロングインタビューを読んだら、これまで薄々感じていたことが詳細に書いてあり、「ああ、やっぱり」と悲しくなる。『監督不行届』でカントクがモヨコ先生について語る部分で、「あー……、これは……」と思っていたけれど、やっぱりか、と。
それは、実家のスケープゴートで搾取子で、今もその実家に仕送りしているモヨコ先生の、哀しみを超えた諦念に満ちたインタビューだった。
わたしが「すごい」「面白い」「かっこいい」と読んでいたモヨコ先生の漫画は、実家に仕送りするために必死で描いていたものだったというのを読んで、つらくなる。
子どもの頃から虐待されて心を折られ続けてきたから、こんなに才能に溢れているのに、「自分には才能がないと思っている」「才能がないならないなりに『やっていくしかないんだな』という気持ち」、そんな諦念にモヨコ先生は染められてしまっている。
カントクが「安野さんが自分を肯定することにかけているブレーキ、リミッターが外れたら『ものすごいことになる』」と期待を込めて思っていても、親から否定されてきたことによる箍は心理療法でも外れず、むしろ年々、強くなっているという……。
家にいて漫画読んでるだけでいきなり怒られるとか、自分が受けてきた虐待を思い出したのもあり、泣いてしまった。あと、カントクのモヨコ先生への言葉も泣けた。そして、モヨコ先生が少しでも心の平安を得られますように祈った。モヨコ先生が描いてるほうが生きやすいならそれで、描くのがつらいならお休みしてほしいです。
そしてわたしは会期中にもう一度、世田谷文学館にANNORMAL展を見に行こうと思いました。このインタビューを読んでからだと、見え方がぜんぜん違うと思うから。