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映画『魔女がいっぱい』にモヤモヤ

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うーん、映画としての出来がいいだけに、モヤモヤする……。アン・ハサウェイがインド英語みたいな英語を話しつつも台詞まわし、美貌、おしゃれ度と、荒木飛呂彦漫画の美しき悪役のようなところは満足なのですが……。
 
最初と最後の映画内の子ども向けプロパガンダ映像が第二次大戦時の戦意高揚映画みたいだし、1968年生まれの少年が大きくなって語るにはやけに古めかしい作りなのと(だって2020年時点で52歳の男性って、あんなおじいさんじみたおっさんじゃないでしょ?)、舞台をイギリス&ノルウェーから変えて「正義」側が黒人になり「悪」の親玉(つまりいちばん偉いやつ)がそれでも白人なこと(いやでも悪役を有色人種にするとそれはそれで叩かれるんだろうけどさ)、子どもたちに教える「悪」の見分け方が「見た目」でその「見た目」が纏足や小児麻痺、リウマチ、ハンセン氏病者などのように見えることなどなど。映画としての出来がいいだけに、冤罪で成敗されちゃう人が出そうだな、なんて思ってしまうわけです。
わたし自身がハンセン氏病の実際には、高校の頃に特殊漫画家の根本敬氏の作品を通じて教科書的ではないリアルにたどり着いたことなどを考えると、この映画を子どもたちがクリスマスに見るっていうのは適当なのか?と、ものすごーくモヤモヤするのです。