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ヤンキーっぽさと騙しのテクニック

◆ヤンキーっぽいバレエ

前に同人誌にも少し書いた件。コッペリアってみんな笑いながら見てるけど、残酷な話だと思う。

誰に迷惑かけるでもなく自分好みの自動人形作ってた、発明オタクのキモくてカネのないおっさんが落とした鍵を、ヤンキーっぽい不良集団が拾って隠匿、その鍵で無断侵入しておっさんの作った自動人形を壊しまくるわけだから。

そりゃ、発明に打ち込むあまりに若い男の生命を自動人形に移植しようとしたおっさんも問題あるけどさあ。それは当然、失敗してるのに、この動画のシーンのように成功したように振る舞うのも、相当、罪深いと思う。

女性が旧来の女性役割に縛られている演目のストーリーを、現代的に解釈し直すのも大事だけど、女性に限らずいろんな意味で「弱者」を笑うストーリーがさいきん、居心地悪く感じている。

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◆黒鳥のシーン

思えば、『白鳥の湖』で、この黒鳥のシーンを見ているわたしたちというのは、なかなか奇妙な状況にある。劇中の王子は悪魔の使い魔である黒鳥が白鳥の偽者だとは知らないが、白鳥たちと多くの観客は知っている。

にもかかわらず、ラストで白鳥か王子、もしくは両方が黒鳥の使い手である悪魔に負けるか打ち克つかに関係なく、黒鳥=悪がいかに上手く王子を騙しおおせるかを観客は期待して見ているのだから。

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