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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

がさつな美味を盛る中華料理店

さて、鮨屋と同じく徒歩圏内に、中華料理店がある。ここは、いきなりそこだけ中華街のようなキッチュなエクステリアといい、忘年会予約受付中の貼り紙を内外に貼り出しているところといい、テーブルにあるメニューも、ワープロ打ちを手書きで字が補足してあるところといい、洗練とはほど遠い。
料理の盛り付けも、ふつう、というより、ポーションの多さも相俟って、むしろ色気がないくらい。なのだが、食べ始めると舌は味わうことに機能を奪われ、しばし沈黙する。最初に入ったときは、小ポーションの塩揚げ炒め蟹を半信半疑で頼んだのだが、この値段でこれならお得! な、殻ごと食べられる旨い一皿だった。
そして今日、五目あんかけごはんを頼んだら、まずその量に、そして野菜、とくにキャベツの量の多さに驚かされた。次に、あん部分を口に運ぶと、強いカラメル臭に、「当たりだ」と直感する。用事が迫っていたこともあったのと、猫舌なのとで舌先をやけどしながら、しかし、こんなにがさつに作られてるのになんでおいしいんだろうと、れんげで食べるには大きいキャベツ片に苦労したが、質量ともに満足。