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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

2016-01-01から1年間の記事一覧

『くるみ割り人形』@東京文化会館

今日の東京バレエ団とダニール・シムキンのくるみ割り人形は、衣装の色とデザインが一部、学芸会チックなパステルカラーのものが残るほかは、プロジェクションマッピングなどを使った演出・美術、配役などかなりよかった。ユカリョーシャこと斎藤友佳理の芸…

ニコライ・ホジャイノフ ピアノ・リサイタル@浜離宮朝日ホール

今日は楽しみにしていたニコライ・ホジャイノフ氏のピアノを聴く日、だったのだが、結果的にYAMAHAのCFXという楽器の酷さを体感する日になってしまった。ホジャイノフ氏には罪はない。というか、あんな酷いコンディションの楽器でよくあそこまで弾いてくれた…

『レッドタートル ある島の物語』

高畑監督が入れ込んでいる、という話から、単なる癒し系映画ではないんだろうなと思っていたけど、思っていた以上に身もふたもなく、容赦なくも美しい映画でした。物語の骨子はポリネシア系のよくある神話なのだけど、サブタイトルが「ある男の物語」ではな…

ミラノ・スカラ座『ドン・キホーテ』@東京文化会館

セットも衣装も華やかだけど、やたらパステルカラーを使っての学芸会チックなものではなく、ダンサーもオールスカラ座キャストで舞台は素晴らしい。なのに、相変わらず日本側のオケがいまいち。なんですかその序盤のファゴットの濁った音は……。指揮者は中間…

映画『ラサへの歩き方 〜祈りの2400km』@渋谷イメージフォーラム

中国籍チベット人の撮るチベット文化圏映画は近年、国際映画祭などで散見されるようになってきましたが、この映画は漢民族の監督がチベット文化を描いた作品です。http://www.moviola.jp/lhasa/theater.htmlなので、オリエンタリズムによって撮られたのでは…

『シン・ゴジラ』@TOHOシネマズ新宿

昨日はエヴァシリーズもゴジラシリーズも興味ない夫の人と、ゴジラのいる歌舞伎町の映画館のTCXシアターで『シン・ゴジラ』2回目。なお、今日はパンフレットがあったので、買ってきました。夫の人は、「何も期待してなかったけど、オタクがやり切った作品と…

『シン・ゴジラ』爆音上映@立川シネマシティ

シン・ゴジラ、ゴジラ映画や名作日本映画を踏襲しているのに、どんな映画にも似てないので、まず映画自体がゴジラっぽい。そして、クリエイターは打ちのめされる映画だろうと思う(というか打ちのめされに見に行ってほしい! そしてそこから這い上がってオリ…

オールスター・バレエ・ガラBプロ@東京文化会館

オールスター・バレエ・ガラ、最終日のBプロでした。ラフマニノフの「ラプソディ」にアシュトン振付を、フェリとコルネホの二人で幕開け。2007年に引退、したと思ったら2013年に50歳で復帰、今年53歳のフェリを見ると、年齢って、なんだろうと思えてきます。…

オールスター・バレエ・ガラAプロ@東京文化会館

初っ端のロパートキナから超人ばかり。夫の人の言う「フルコースじゃなくて、メインの肉肉肉魚肉の世界」に納得の濃さ。ほかには、ザハロワとエイマンの「チャイコフスキー・パ・ド・ドウ」、アナニアシヴィリとゴメスの「ジゼル」と、アナニアシヴィリの「…

「バレエの王子さま」@文京シビックホール

某カレーを思わせるタイトルがちょっと……な公演、「バレエの王子さま」最終日。ほぼコンテンポラリーばかり、そして思索的なものとコミカルなものが交互にやってくるのが面白かったです。まずはオープニングでややコミカルに今日のメンバー紹介。そしてダニ…

「シチズンフォー スノーデンの暴露」@イメージフォーラム

スノーデンの映画見に行ったんですけども、映像である、ということを考慮しても、知ってることが3〜4/5はあって、途中で寝ました……。映像のみで明かされる情報とかちょっと期待してたのだけど、スノーデン事件の記録映画に留まっているような。あとこの映画…

英国ロイヤル・バレエ『ジゼル』@東京文化会館

サラ・ラムとマックレーでジゼル。サラ・ラムの目の大きい、ムンクの思春期の少女のような顔は、こういう役に合いますね。そして彼女が小顔なせいか、今まで薄々感じていたマックレー、バレエダンサーにしては顔というか頭大きい疑惑が確定。ヒラリオン役よ…

英国ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』@東京文化会館

サラ・ラムとワディム・ムンタギロフのペアに、あの衣装(化学染料のない時代らしいくすんだ色に素晴らしい織や刺繍、縫い取り)、練られた舞台美術、いかにもお芝居!的に明るすぎない照明、パリス役に話題の例の彼、娼婦役の特に赤毛のダンサーの素晴らし…

『同級生』

中村明日美子先生原作のBLアニメ。劇場公開時に見られずDVD買ったんだけど、これ、大画面で知らない人と同じ空間で見るのは気恥ずかし過ぎるかも。一人でおうちで見てても悶絶しそうになったし。同級生(完全生産限定版) [Blu-ray]出版社/メーカー: アニプレ…

『山のトムさん』

特典映像のひとつ目がすごい。ベンガルともたいまさこが互いの青春時代を答え合わせのように付き合わせ、小劇場が熱気あった時代が語られる。ベンガルの芸名の由来、もたいまさこがまるで菅井きんのように30年前から変わらない&現在の肌の綺麗さにベンガル…

『ガルム・ウォーズ』吹替版@新宿バルト9

http://www.youtube.com/watch?=btT2DdJ2BSQ『ガルム・ウォーズ』、見た。見終わった。 うーん、 、 映像は美しいんですが、 、 音楽もいい仕事してるんですが、 、 声優さんもきちんと以上にお仕事されてるんですが、 、 、 、 、 、 映像作家としてはおい…

カップ焼きそばの作り方・その3

カップ焼きそばの作り方・初期山田詠美ふう。女性作家が少ないねって話から。だれか田辺聖子で頼む! pic.twitter.com/w5jAGklTEn— Mmc (@chevre) May 28, 2016うますぎるwww"@chevre: カップ焼きそばの作り方・初期山田詠美ふう。女性作家が少ないねって話…

『黄金のプラハから来たイエズス会士』ルドヴィーク・アルムブルスター、羽生真名

二日かけて読了。 ナチスとソ連により祖国から追われ、様々な偶然により戦後直後の日本に赴任、神父の業務に学生指導、研究者としての論文発表に、復興期の大学運営に学生運動、上智大図書館建設などの困難をくぐり抜けた経験、そして神と人と死の関係などが…

カップ焼きそばの作り方・その2

ハイデッガー、カップ焼きそばの作り方を語る。 pic.twitter.com/pDk3NQsqRr— Mmc (@chevre) May 25, 2016ヘルシュテツレンwwwww— DX版の羅生門メタ子 (@la_jomon_meta) May 26, 2016哲学者、焼きそば作ってない— 神火 (@shinkaseimei) May 27, 2016湯…

カップ焼きそばの作り方・その1

イエス、エルサレムにてカップ焼きそばの作り方を話される。食べ物関連で「分ける」「注ぐ」とか出てくると、やはりここに行き着く。あっ、信徒のみなさん石を投げないで! pic.twitter.com/MRsBQVcFxj— Mmc (@chevre) May 26, 2016Laudate nomen Dominiでは…

『最高の花婿』@恵比寿ガーデンシネマ

上映終了一日前でようやく。笑いをこらえるのが大変だった! 久々にヨーロッパ式悪態文化に浸かる。娘にはカトリックのフランス白人と結してほしかったフランス白人でカトリックの保守派夫妻の他宗教多人種こき下ろしに、ユダヤ、イスラム、中国人の婿の宗教…

『オマールの壁』@アップリンク

予告編での「思いがけない結末」、とは何か。占領下のパレスチナという、イスラエルにとっちゃ字義通りなんでもありの、パレスチナにとっちゃ生きるためになんでもありの土地と人間がテーマでの、思いがけない結末とは?【1】全ての物語は壁を乗り越える際…

Howling in the Night 2016〜押井守、戦争を語る@アカデミーヒルズ49

今年の「押井守 戦争を語る」15回記念Tシャツ。受付で同じ柄のバッジを渡されたときに、 「ええっ、15回記念で筒井康隆来るの?」 と、激しく勘違いしたが、もちろんそんなことはなかった。 登壇した岡部さんもこの髪型ではなかった。

『垂直の記憶 岩と雪の7章』山野井泰史、ヤマケイ文庫

[rakuten:hmvjapan:11154153:image]なんというか、山野井泰史・妙子夫妻は、一般人とは人種が猿人と原人レベルで違うな、と読んでいると圧倒される。 僕は初めてのヒマラヤ登山で、八◯◯◯メートルの頂に立てた幸せな人間になったのだ。この場所が僕には天国の…

『凍』沢木耕太郎、新潮文庫

山野井泰史は偉人だが、妙子はその上を行く超人だと改めて思う再読。彼女が持病がなく、高所でもばりばり食べていたら、世界の壁の登攀史はどうなっていただろう。そんなことを考える。そしてそんな夫妻の世界をここまで書いた沢木耕太郎もすごい。リアリテ…

『エヴェレスト 神々の山嶺』@立川シネマシティ

『エベレスト 3D』が客観的な映画なら、こちらは主観的な映画。怖いのは山ではなく、山に執着する山ヤの業なのがよくわかるホラー映画であり、絵面的・熱さ的に登山BLでもあり。そもそもBL展開向けの材料が多すぎ。深町が声もなく泣きながら羽生の写真を焼く…

『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』@立川シネマシティ

せつなかった。脳の老化と闘う93歳のホームズを、70代後半のイアン・マッケランが演じる。真田広之演じる梅崎が、ホームズを日本に呼び寄せた魂胆が明らかになるにつれ、広島の爆心地に連れて行き、そこに生えている山椒を持ち帰らせた意味を考えてしまう。…

『外道クライマー』宮城公博

漫☆画太郎作品を読むときのように笑い、映画『エベレスト 3D』を見るときのようにゾーッとする、そして『ルパン三世 カリオストロの城』での空中でのルパンや地下や水中でのルパンを強烈に思い起こさせる一冊だが、「魂を揺さぶられる」なんていう形容詞はこ…

『江戸川乱歩の陰獣』@神保町シアター

キャストも贅沢なら脚本もカメラもよく、和服も山の上ホテルや横浜グランドホテルも眼福の、黒蜥蜴の習作のような、原作より乱歩っぽいくらいの一本。探偵の推理作家役に若くて可愛い柴犬みたいなあおい輝彦。わたしの好みではないけれど、ああ、これはそう…

イングリッシュ・ガーデン@パナソニック汐留ミュージアム

3/21までの「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」を駆け込みで見てきた。もともとオタク趣味にはまる前は自分でも植物画を描いていたのもあり、この世界は大好物。いつ見ても彩色銅版画の世界はものすごい。今回はおそ…