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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

2015-01-01から1年間の記事一覧

シルヴィ・ギエム「ライフ・イン・プログレス」@東京文化会館

この日のギエムの公演、AdieuからByeに改題なった最後の演目、ステージ脇の壁に触れるギエムを見たら、これまでに東京文化会館で見たギエムの演目が激しくフラッシュバックして、気づいたら泣いてました。ダンスだけでなく、場所の魔力ってやっぱりあるなあ…

シルヴィ・ギエム ファイナル@前橋市民文化会館

演目一つ目に、フォーサイスのあの『In The Middle, Somewhat Elevated』が入ると聞いて、ギエムが踊るのか?!と色めき立ったものの、当日、配役表を開いてみればそんなことはやはりなく、全員が東京バレエ団の演目でした。さて、In The Middle を初めて見…

マリインスキー・バレエ『白鳥の湖』

3年前の世界バレエフェスティバルの「瀕死の白鳥」で、それまでに見ていたほかのダンサーの同タイトルの印象をほぼすべて吹き飛ばしてくれたロパートキナ様が、黒鳥をどう踊るのか、が最大の興味だったこの公演。黒鳥での登場シーンの無表情は、男に利用され…

SFT Japanのカレンダー

Students for a Free Tibet Japanのチベット写真カレンダー2016版、ネットで注文開始しています。 SFTJのカレンダー、映画『ルンタ』冒頭、中原さんの背後の壁にかかっているのが、ちらっと出てきますね。ありがたいことです。ご注文は特設ページからどうぞ…

『ボクは坊さん。』

渋谷のロードショー館での最終日に(わたしにしては)早起きして滑り込み鑑賞。軽いタッチの映画かと思っていたら、けっこう深く切り込んでくる映画で、途中からぐすぐす泣いてました。最初の方の高野山大学の興味深い授業と放課後のエピソードが終わってか…

大同生命地域研究賞受賞のこと

サン人の、いわゆるブッシュマン文化を消えゆくぎりぎりで研究・記録した田中二郎氏のインタビューが読売朝刊に載っていた。ネットで拡散してほしいのに、という記事ほどネットに上がってない例のごとく、ウェブ版には未掲載なのが残念。そのうち載るのかも…

『エベレスト 3D』

久々に3Dメガネかけての映画鑑賞。登山映画の恐怖は3Dでも角度とかセオリーはあんまり変わりませんね。そして登山でのミスは、登る山が高くても低くても ・時間厳守 ・装備はきちんと使う の基本を怠ることに尽きるなと。わたし自身はいちばん高く登ったのが…

『ハーモニー』

対話によってではなく、完全な管理でしか平和を保てないなら、万物の霊長などと言う資格はもはやない。これは原作を読んだときにも思ったこと。そして、humanを人間と訳した明治の人、ありがとう。そう、人間性はホモサピエンスのヒト単体には発生しにくい。…

『スコット&ゼルダ』@天王洲銀河劇場

表現者は抉られるところの多いだろうテーマ。「あなたの書くべきもの、書きたいものはゴシップとスキャンダルでしょ」(うろおぼえ)とインタビュアーに言うゼルダのセリフは、その後にイエス・キリストのイスカリオテのユダへのあの言葉「あなたがしようと…

『屍者の帝国』@TOHOシネマズ新宿

入場者プレゼントです、と栞をもらったのだが、まさかキャラデザイン表でいちばん違和感のあったこの人をこのイラストレーターが描くとは。違和感は、あの時代に服を着ているにもかかわらずのあのお胸のラインなのですが。それはともかく、映画版『屍者の帝…

『キングスマン』@立川シネマシティ

おっさんのスーツと眼鏡姿でのスパイアクション、エロくて最高! 世界を平和にしたい動機が自分の家族っていう地に足着いたリアルが身に沁みる。あとあのパグの活躍シーンがあれば最高! そして音楽の使い方がベタすぎてむしろ何かを超越してた。とくに「威…

『ルンタ』@渋谷シアター・イメージフォーラム

18日に渋谷シアター・イメージフォーラムで上映の始まった、チベットのドキュメンタリー映画『ルンタ』を、今日、ようやく見てきた。整理番号2番で入ったのに、心が千々に乱れ、シアターから出るのが最後になり、偶然にも次の回で入ってきた友人に肩を叩かれ…

勝手に値付け、しないでほしい

あっ、また帰りに読む本を読み切ってしまった……。と、ぼんやり歩いていたら、ラテン系っぽい背の高くないがっちりした若者に指笛を吹かれたうえ、流暢だけど間違った日本語でナンパされる。いわく、「わたしたちと一緒にワインを楽しみませんか!」。わたし…

押井映画の手触り

ふと思い出した。会社のおじさま社員にだいぶ前、パトレイバー映画版1と2を貸したのだが、その感想が、 ・あんなに仰々しく描かなくても解決できる話 ・技術の進歩で事件が古くなってるよね だった。普通の人の押井守映画の捉え方って、これなんだろうなーと…

チベットと中国と日本

夫婦でかかりつけのクリニックで、チベット関係のチラシを置いてくださるとのことで、通院がてら持参。チベットの現状についてあまり日本で報道されないことについてのからくりを説明する。「日中報道協定っていうのがありまして、日本で中国政府に不利な報…

お知らせ

■チベット本土のための特別法要■ http://www.tibethouse.jp/event/2015/150731sp.html日時:2015年7月31日(金)18:30受付開始 19:00法要開始 会場:新宿・常圓寺 都営大江戸線D4出口、JR線/東京メトロ丸ノ内線新宿駅B16出口より徒歩8分、青梅街道を挟ん…

『ルック・オブ・サイレンス』@渋谷シアター・イメージフォーラム

虐殺者が人格破綻者の怪物かのようにも見える前作『アクト・オブ・キリング』よりコンパクトだが、今作の方が観客の逃げ場がないように思う。共産党員だから、とインドネシアで1960年代に100万人以上を殺した当事者は、いまだに権力の座にある。そこで、自分…

チベット僧のための抗議行動

麻布の中国大使館前で午後1時から2時まで、在日チベット人と日本人チベット支援者20人弱で、テンジン・デレク・リンポチェの死因を公開すること、リンポチェの家族を解放すること、チベットの自由、人権の自由などを訴えてからの出社。在日チベット人女性の…

Howling in the Night 2015〜押井守、《戦争》を語る@アカデミーヒルズ49F

29日夜は恒例の226イベント、と言っても押井監督の監督業が盛況なおかげで、2/26から昨今開催日がずれつつある「Howling in the Night 2015〜押井守、《戦争》を語る」でした。現地では『GARM WARS 白銀の審問艦』が売られてましたが、わたしは『監督稼業め…

グスターボ・ドゥダメル指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニック@サントリーホール

LAフィル×ドゥダメル、一階6列中央寄り。音としてはもう5列か3列後ろの方がいいかな。しかし楽団と指揮者の一体感は、一昨年のリゴレットや去年のウィーンフィルよりずっと上!ドゥダメル、リゴレットではお仕事はちゃんとしますよ、ウィーンフィルは、特徴…

フェリックス・アーヨ ヴァイオリン・リサイタル@津田ホール

ヴァイオリンのアーヨとピアノの岩船のスタミナと超絶技巧に、とくにアンコールになってから客席が翻弄された夜でした。予定されていたプログラムはヘンデル ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ニ長調 op.1-13ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 op…

『相棒』season13・妄想最終回

けっこうな勢いで脚本のクオリティが下がっていて、ほとんど見なくなっていたドラマ『相棒』ですが、今期の最終回は惨憺たる有様でした。熱心な相棒ファンには「地雷」と言われる脚本家担当回とも聞きますが、まさに、「なんでこうなった」状態……。ネタバレ…

映画『アメリカン・スナイパー』

話題の映画で満員だったにしては、音楽なしのエンドロールなのに、その途中で立って帰る人がとても少なかったのが印象的。こないだのドレスの色じゃないけれど、見る人の中身によってそうとう見え方が違いそうな映画でした。わたし自身は厭戦映画だと思った…

『革命の季節』重信房子

革命の季節 パレスチナの戦場から作者: 重信房子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/12/27メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見るいろいろと腹立たしい本だった。椅子椅子団に絡めて、アラブの対西欧側の視点がわかるかと読んで…

『辞書を編む』飯間浩明

辞書を編む (光文社新書)作者: 飯間浩明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2013/06/21メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る三浦しをん『舟を編む』を読んだり映画版を見たりした方にはぜひ。まだの方は文庫化もしたのでぜひセットで! 著者の言葉オタ…

Bunkamura25周年記念 キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展

もう会期は終わっちゃったんだけど、というかぎりぎりで見に行ったのですが、Bunkamura25周年記念 キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展はとても面白かったです。サモア諸島で現地の人々に大歓迎された、というエピソードにはジョルジュ・ペレ…

ミハイロスキー劇場バレエ新春ガラ@東京国際フォーラム

新年初バレエは昨日のミハイロスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)の新春ガラ。演目は次の三つ。 第1部「くるみ割り人形」より第2幕 〜おとぎの国〜 第2部「白鳥の湖」より第2幕 〜オデットと王子、湖畔の出会い〜 第3部「ライモンダ」より第3幕 〜ライ…