読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

「チベットを返せ!〜Tibet for Tibetans〜」在日チベット人コミュニティー主催デモ行進@六本木

今日は予報では雨だったので心配していたのですが、曇りで涼しくなってくれて、かつ雨も降らず快適にデモができました。しかも、結局自分の旗を自分の家のなかで見つけられない不可解のままでかけたのですが、今日も会えたお友達に旗竿取り付け済みの旗の貸し出しがあると教えていただき、それをお借りして使わせていただきました。

デモ中に沿道の方で、日本人らしい年配の男性が拍手してくださる光景を今までによく目にしていたのですが、今日は年配の男性のほかに、若者が拍手してくれたのがちょっとうれしかったな。あと結婚式の二次会とかに使われがちなイベントスペースのウェイターさんたちが2階から見ていて、チーフらしい中年男性はなんだか困った顔をしていたのですが、若い男性がこちらが旗を振って見せたら笑って手を振り返してくれたのもうれしかった。デモの人数はお盆の時期や暑いということもあるのでしょう、600人くらいとのことでした。毎日新聞の報道では200人となっていますが、とてもじゃないがその少なさではなかったです。だって200人って40人クラス5つ分でしょ? 終着地の公園では少なくとも500人はいたのにね*1

デモが終わって一時間くらいして、出発地の公園でのキャンドルライティングに参加。ろうそくを並べる背景には、今回のチベット騒乱で亡くなられた方々のお名前が掲示してあります*2

昨日のえらい早いお経とは違って普通のテンポでのお経が唱えられ、地面に置かれたろうそくには昨日見たのと同じと思われる直径10〜15センチくらいの大きいろうそくと、キラキラと灯りを反射するガラスケース(といってもろうそく専用のカンテラみたいなものからジャムやはちみつの空き瓶と思われるもの、カットの入ったおしゃれなグラスからむかし酒屋さんでくれたようなグラスまでとさまざま)に入ったろうそくが集まり、幻想的でした。最後にチベット国家が歌われたのですが、公園のセミがなぜか歌と同じリズムで鳴いているのがおもしろかったなあ。


なお、今度の24日には恵比寿〜渋谷のコースでサイレントデモがあるとのこと。参加される方は黒いTシャツなどの黒い衣服で、とのことです。


追記:
当日の主催者挨拶が発表されました。リンクしつつコピペ。


小原カルデン(在日チベット人コミュニティ代表)挨拶
本日は本当に暑い天気の中、集まっていただき、ありがとうございます。
私はもう10年以上も日本に住んでいるわけですが、チベットのためにこんなにたくさんの方々が集まってくださる日が来るとは正直想像もしていませんでした。しかし今年になってチベット問題が話題になってから、こんなにたくさんのサポーターがいらっしゃるということを知って、非常に嬉しいと感じるとともに、われわれチベット人ももっともっと頑張っていかなけれならないということを感じました。それで今回の在日チベット人の主催ということでデモをすることになりました。
今回のデモは北京オリンピックに反対して行うものではありません。北京オリンピックは我々も非常に尊敬しています。それはいままで4年間、選手たちが日々努力をしてきて、この大きな舞台に立とうと頑張ってきたからです。ですから、皆様そこを誤解しないでいただきたいと思います。
今回のデモの目的は次の3つのことを世界にアピールすることです。ひとつ目はチベットの問題を忘れないでほしいということです。オリンピックが始まってもチベットの問題はまだ解決していないということを、世界のみなさんに忘れないでいただきたいのです。
2つ目は中国政府に、ダライ・ラマ法王の特使との対話に正面から取り組んでもらいたいということです。特使と中国政府との対話は、2002年から2008 年まで7回行われたにも関わらず、結果が出ないものに終わっています。これからはチベットと中国とだけでなく、国際連合を交えるなどして実りある対話を実現してほしいと思います。
そして3つ目は、中国政府にIOCとの約束を守ってほしいということです。中国は北京五輪の開催が決まったとき、より人権に注意を払うとIOCと約束をしていますが、チベットの人権問題、または内モンゴルの人権問題、またはウイグル、中国の中でもたくさんある人権問題はその後もまだ解決していません。 IOCは約束を守っていない中国に対して厳しく指導する、あるいは制裁を行う必要があると思います。
本来、チベットは独立国家です。私たちチベット人の国です。日本がどこかの国の一部ではないように、誰かの支配下に入るべきものではないのです。そしてサポーターの皆様にはいままで非常に感謝していますが、これからもぜひとも応援をよろしくお願いします。
中国という巨大な国家を相手にする場合は、政治家だけではなかなか解決しません。この問題は世界の人々の応援こそが、問題の解決への道筋を作ると私たちは信じています。ですから皆様、チベットへの思いを諦めずに、ご家族や自分の友達にもぜひ伝えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。


西蔵ツェワン先生の挨拶
昨夜、北京五輪開会式を見て直感的に思ったのは、開会式は非常に華やかでしたが、あの影でどれだけの人間が犠牲になっているのだろうということでした。それは私たちチベット人チベット民族だけでなく、内モンゴルトルキスタン、さらに中国の漢民族でさえ、その犠牲になっているというようなことがいま起こっている。
さきほども話があったんですが、私たちは北京オリンピックには反対はしておりません。私たちはそれを通してどれだけ裏に問題があるかということを多くの人たちに知っていただきたい。それが私たちの長年の運動です。
ことチベットに関しては60年前からいわれのない抑圧政策を受け、120万人の犠牲者が出ていると言われております。さらに今年の3月の暴動に際して、 1000人以上の人たちがいまだに行方不明になっている。そういう状況の中での昨夜の華やかな北京オリンピックが開かれている。あの意味は何だったのかということを皆様にぜひ知っていただきたいと思っております。
私たちは中国人に対して憎しみは持っておりません。中国指導層の政策に対して私たちは異論を唱えております。その事情はぜひ理解をしていただけたらと思います。
きょう、この中にも中国の方がいらっしゃるでしょう。あるいは中国大使館の方も聞いているでしょう。ぜひこの現状を、ご自分たちでじっくり考えて、果たして自分たちの指導層はこれでいいのかともう一度考えていただきたいというのが私たちの主張であります。
これから平和行進をやるわけなんですが、中国の方たちのいろんな挑発的なことがあるかもしれない。きょう、私たちはあくまでも平和行進ですので、毅然とした態度で臨んでいただきたい。私たちチベット人の運動の主体は非暴力です。これはおそらくずっと続くことだと思っておりますし、それによって正義を勝ち取ると深く信じておりますので、どうぞよろしくお願いします。


パルデン・ギャツォ氏からのメッセージ
昨夜、北京オリンピック開会式が行われました。オリンピックは、人権を守り、平和で、他国との調和を心がける国で行われるべきイベントです。今日こうして、真実、平和、そして人権のために戦う日本の皆さんが、オリンピックを開催する国が、人権を侵害し、拷問や虐殺を繰り返していることに疑問を持ち、抗議するために集まられたはずです。
オリンピックは人間の精神を祝うためのイベントです。しかしながら、北京オリンピックは人権の抑制の場となってしまいました。ラサで行われた聖火リレーでは、抗議活動を怖れた政府により厳重な警備隊が敷かれ、一般市民が沿道でその様子を見ることはできませんでした。見ることができたのは、偽装のセレモニーを行うために選ばれた人のみでした。これは国際的なセレモニーというよりは、子供騙しだと言えましょう。私達は特にエベレストに聖火が持ち込まれた事を非常に非難しました。
張慶黎チベット自治区共産党書記は、ラサのポタラ宮前での聖火リレー式典にてオリンピックを政治化するべきでないという中央政府の主張と矛盾して、オリンピックを政治化し、こう発言しました。「チベットの空は永遠に変わらない。5つ星のついた赤い旗が永遠にチベットの空にはためくのだ!」この発言は、チベットはかつて独立した国家であることをあきらかに認めていることになります。中国が侵略してくるまでチベットは独立した国家でした。ダライ・ラマ法王は中道政策を打ち立て、チベットは中国という国の中で存在しよう、と大きな譲歩をしています。それがチベット、中国の両方に利益をもたらすとお考えになるからです。しかし、その歩み寄りは、貪欲な中国人を満足させるには事たりませんでした。中国人が欲するのは、チベット人ではなく、チベットの土地です。チベットを植民地化し、チベット文化を抹消し、チベット人を虐殺する。それが中国が最終的に意図することなのです。これが本当の中国の顔なのです。
第二次世界大戦中、アメリカは広島と長崎に原爆を投下しました。中立主義を守っていたチベット政府は、残酷で恐ろしい原爆の犠牲者の方のために祈るよう、チベット中の僧院に要請しました。私はこんな風に思うのです。日本で、今、こうしてに皆さんがチベットを支援して下さるのは、こういった過去の繋がり、ご縁があったからではないかと。チベットを支援して下さり、そして世界の平和のために戦う日本の皆さんに心から感謝いたします。皆さまが永遠に支援してくだることを祈ります。

ゲシェ・パルデン・ギャツオ


おまけ:
金曜日のキャンドルライティングにTBSが取材に来ていました。以下のように報道されたようです。

*1:3月や5月のデモの際にもなぜか少ない人数で報道されまていましたが…>http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20080810k0000m040039000c.html

*2:こちらの写真はねこみみさんよりお借りしました>http://nekomimi.la.coocan.jp/free_tibet/