読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『クンドゥン』再発


今月始めに知ったのだが、長らく廃盤だったマーティン・スコセッシの『クンドゥン』が、7月3日に再発されるとのこと*1チベット弾圧50年の節目の年だからか? スクリーンで一度見ただけで、その後DVDを買おうと思ったら、ずっと売り切れていて在庫なしだったのが、HDニューマスター版での再発だそうで、うれしい。すでにアマゾンで予約できるようになっている*2


ダライ・ラマの半生映画といえば、同じ欧米資本での『セブン・イヤーズ・チベット』があるが、『セブン・イヤーズ〜』のような華やかなスター俳優の出演や、一般人の個人的な悩みがダライ・ラマとの触れ合いで癒される、というようなドラマのない地味な内容のせいか、『セブン・イヤーズ〜』のようにはヒットしなかったのが廃盤の理由かもしれない。スター俳優どころか、出演しているのはこの映画のためにそれぞれの仕事を休んで、撮影地モロッコまでやって来た、亡命チベット人たちばかりだし。


いわば『セブン〜』が色々な具が入ったサンドイッチなら、『クンドゥン』は梅干しの一つ入った握り飯みたいな違いだ。しかし、この握り飯、非常に腹に重い一つです。ダライ・ラマの周囲の地面をチベット人が埋め尽くすシーンは凄まじい。ここはかなりマーティン・スコセッシ色が濃い気がします。