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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『舞台「鉄人28号」』DVD

映画『28 1/2 妄想の巨人』との二枚組のうち、こちらを見た。感想としては、意外に面白かった、ということになる。


意外に、というのは、まずこの舞台の話を聞いたときに「それって、登場人物がかわるがわる長台詞を語って、最後の最後で鉄人が立ち上がるっていういつもの押井節なんじゃ…」という感想を抱いたことに始まる。


登場人物がかわるがわる長台詞を語るって、舞台では、どうなの? 朗読劇になっちゃうんじゃないの? という心配はけっこう最初から払拭された。さいきんとんと見なくなった押井ドタバタ&ギャグがかなり前面に押し出されているのだ。これがアニメじゃなくて生身の役者で見られるとは! 監督、沖縄空手で健康になった効果でギャグをやる体力気力が蘇ったのでしょうか。


それと、たしかに登場人物がかわるがわる長台詞を語るわけだけど、そのうちのけっこうな量が歌になっておりなかばミュージカル仕立てになっているので、アニメでの長台詞場面のように眠気を誘うようなことにはならない。ただ、歌手出身の役者さんとかもいたのだけど、みなさんミュージカル俳優とかではないのでときおり音を外してて、それが難といえば難。


とはいえ全体としては、終幕部分はちょっと説明足りないんじゃ、というところもあったけど、そんなわけでまあまあ面白かった。ハカセと少年、悪役の三角関係(ときおり大塚署長も闖入)は思いっきり少年愛で、明智探偵と小林少年の関係にもやもやしたものを感じる人(っていうかわたし)にはたまらないものもあります。


さて、もう一枚はこの舞台のメイキングをフィクション仕立てで記録したものとのことなのだが… 正直こっちは不安が。盲目的じゃない押井ファンならこの不安がどういうものか、わかると思うけど、でも押井ファンとしては見ざるをえない。いつ見ようかなあ…