映画『28 1/2 妄想の巨人』
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もうね、「にじゅうはっか にぶんのいち もうそうのきょじん」と読むタイトルが、まんまフェリーニの『8 1/2』なうえ、ラストシーンも激しくオマージュwww ただしスケールは1/8くらいですが。
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の「ラムのいないあたるのハーレム」も『8 1/2』のハーレム妄想のシーンを強く思いださせるものでしたが、押井監督はほんとに好きとなるとずーっとそのモチーフを使いつづけますね。思えば『8 1/2』も映画制作のフェイクドキュメンタリー風でもあるし。
しかし、あらすじだけ読むと『28 1/2 妄想の巨人』はまるで『Avalon』のようです。
「舞台『鉄人28号』の現場付きスチルカメラマンの言子(あきこ)は、稽古場などで時折、正太郎を思わせる少年の姿を見かけるようになるが、そんな矢先、演出の押井監督が失踪してしまう──。果たして、この物語はどんな結末を迎えるのか……。」
このあらすじを読んでの「『Avalon』のような感じなのでは…(=押井実写映画にありがちな睡眠効果への恐れ。たぶんわたし史上で『Avalon』がいちばん眠かった押井実写映画)」という心配は杞憂でした*1。
もちろん『舞台「鉄人28号」』あっての作品なんだけど、あらすじの「稽古場などで時折、正太郎を思わせる少年の姿を見かけるようになるが」を読んでいると、「どこで出てくるのか、ここか、それともここか」とどきどきするし(実際予想したほどには出てこない)、ゲネプロ後の観客の感想という自虐ギャグは、発言・人選ともに「これでもか」っていうくらいの各界の方々が揃っていて、無駄な豪華さがギャグの性質を際立たせてるし。
そういえば「これでもか」といえば『紅い眼鏡』から延々と使われているモチーフである高速道路の夜の光景や、それを昼間にしたような眺めもふんだんに盛り込まれてます。
その他感想としてはこんな感じ:
・池田さん、舞台上の役割だけでなくフェイクドキュメンタリーもいい人役。むしろここは意表をついてダイアモンド☆ユカイ(☆は六芒星)氏があれをやってくれたらおもしろかったのに
・ハンガーや足元に人がいる状態で鉄人が飛んだら、みんなたいへんなことになりますよ
・舞台の正太郎くんはハカセを純真に慕うほかに大塚署長にも積極的にコナかけてるよね。魔性だわ〜
・そうか…若手役者さんとかからすれば押井監督世代は「おじいさん」、か…