グスターボ・ドゥダメル指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニック@サントリーホール
LAフィル×ドゥダメル、一階6列中央寄り。音としてはもう5列か3列後ろの方がいいかな。しかし楽団と指揮者の一体感は、一昨年のリゴレットや去年のウィーンフィルよりずっと上!
ドゥダメル、リゴレットではお仕事はちゃんとしますよ、ウィーンフィルは、特徴をふまえて手綱はちゃんと捌きますよ、という感じだったのが、今日は楽団という手袋をはめた手で音楽を自在に操ってジャグリングしている感じ。
うっかり目をつぶったら、操られている聴覚からの平衡感覚の混乱で、椅子から落ちそうなスリリングな感覚が味わえました。そのまま目を閉じていると、落下より浮上するような浮遊感に変わっていきました。
っていうと名演奏だったみたいだけど、LAフィル自体は発展途上の楽団って感じでした。サントリーホールという立派なホールや高いチケット代には見合わないかなあ。昨年秋に同じホールのほぼ同じ位置、同じ指揮者でウィーンフィルを聞いてるので、違いは歴然。
なんというか、音が軽いんですよね。イージーリスニングとまでは言わないけど、映画のサントラあたりが似合いそう。あと、一丸となってるまとまり感に欠ける演奏。たぶん少し席の列を後ろにずらしても、このまとまり感のない聞こえ方は同じだったろうな。なお、「手袋はめてるような」というわたしの感想に、夫の人曰く「そこまでやらないとオケが鳴らないからだよ〜」。嗚呼。