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『シン・ゴジラ』爆音上映@立川シネマシティ

シン・ゴジラゴジラ映画や名作日本映画を踏襲しているのに、どんな映画にも似てないので、まず映画自体がゴジラっぽい。そして、クリエイターは打ちのめされる映画だろうと思う(というか打ちのめされに見に行ってほしい! そしてそこから這い上がってオリジナルな自分になってほしい)。

映像体験として予告編は序の口でした! CGや合成映像映画で予告編からの想像を超えるものって、初めて見たかもしれない(シュヴァンクマイエルとかは除く)。最初に上陸した際のゴジラの皮膚感がもっと気持ち悪いのが好みなので、造形はよかったのに〜、と思った以外は大満足!

有名俳優も実力派俳優も自衛隊も、視覚に対して物量作戦なんだけど、それも無駄に豪華なのではなく必然だし、馴染みのある場所もない場所も、景気よく壊されていく場面はカタルシスがきっちり得られる。職人の作品だなあ。途中からストーリーと関係なく、その職人としてのきっちり具合に感涙していました。

そして、題材が題材なだけに、強烈に東日本大震災と福島第一を思わせ、というか、そこから逃げない絵作りが素晴らしい。現実のそれを被災地中心に復興するためには、竹野内豊の最後のセリフのようにならなくちゃダメなんだろうな、いや、本当にそうか? 諦めていいのか? という観客への宿題まで用意されているというきっちりぶり。

あと、あんまりツイッターとかで「エヴァじゃん(呆」と言われているので、昨今、別のアニメ出身監督の自己劣化コピーぶりに哀しくなっている身としては心配だったのですが、いやあ、あれくらいのセルフパロディはぜんぜん問題なし! なにしろ劣化してないし! あ、でもセルフパロディって書いたけど、庵野監督自身はパロディとか思ってなくて、「笑わせようとしたんじゃないっ!」@アオイホノオ、な状況なのかも。

やっぱり庵野監督は天才だったんですねえ。でも、エンドロール見てると監督、働きすぎ! そしてわたしは映画館を出てケーキ屋さんで「ものすごいものを見てしまった」と思いながら、次はどの上映方式でこの映画を見ようかと思っていたのでした。