日本に暮らすチベットのひとたち
中学の頃にTV画面の中のチベットに出会って以降、チベットのファンだ。人々が楽しげにピクニックをするなか、タンカと呼ばれる仏画の巨大なものが、丘の上から下に向けて広げられていく、壮大というか豪快な風景に、信仰といえばカトリックの教会のなかでの、光がはるか上の方から差し込む、基本的にほの明るい場所での鬱々と、黙々としたものだと思っていたわたしに、それは衝撃だった。こんな自由で平和な信仰の在り方もあるんだ! と呆然と大勢の臙脂色の袈裟の僧侶たちによってタンカが広げられるのを見ていた。
【NHKスペシャル】【世界の屋根チベット紀行】~夏の大祭 ショトン~
中国政府は、2008年の北京五輪に際して、「中国国内人権状況の改善」を求められたのに、たいした施策がないどころか、「自由と平和の祭典である五輪を開くのにふさわしくない」と抗議に立ち上がったチベット人など少数民族を苛烈に弾圧した。日本でもそれまでにない規模でチベット関係者によるアピールデモが行われた。その頃からわたしはチベット支援に本腰を入れている。
今月18日には、北京五輪にもの申すチベット人たちの本音を集めたドキュメンタリー映画『ジグデル 恐怖を乗り越えて』を作ったために、政治犯となった夫を持つ女性の映画『ラモツォの亡命ノート』がポレポレ東中野で公開されるが、それにもボランティアで少しかかわった。
ところで日本にはちらほらチベット人が住んでいるのだけれど、あまりそのことは知られていない。それについて、毎日新聞に読み応えのある記事が載ったので、取材した記者のコメントとともにご紹介。
1) 12日のストーリーは、埼玉県日高市の武蔵台病院の院長、西蔵ツワンさん(65)の半生です。チベット難民で、52年前に留学生として来日。受け入れ先の旧毛呂病院(埼玉県毛呂山町)で猛勉強を重ね医師になりました。取材した三股記者の「ひと言」を以下に紹介します(続https://t.co/WZDgLKCfXU
— 毎日新聞ストーリー編集部 (@mainichistory) 2017年11月11日
2)昨年11月、ダライ・ラマ14世が埼玉医大を訪れました。チベット難民を受け入れた毛呂病院が改組され設立されたのが同大です。ツワンさんの自宅にお邪魔し、出迎え儀式のため、供物や民族衣装を準備するチベット出身の皆さんと、チベット料理をいただきながら話を伺いました(続https://t.co/4GkAiQYfQl
— 毎日新聞ストーリー編集部 (@mainichistory) 2017年11月11日
3)輪の中には、日本人男性と結婚したチベット難民女性の子供たちや、ツワンさんがチベットから招き日本で学んだ看護師の女性もいました。毛呂病院を同大に発展させた故丸木清美氏は軍医経験があり、アジアへの貢献に心を砕き、チベット以外の多くの外国人留学生も受け入れてきました(続 pic.twitter.com/5FBYFJmKDf
— 毎日新聞ストーリー編集部 (@mainichistory) 2017年11月11日
4)チベットの人権状況は今も厳しい状態にあると指摘されています。そこから5000㌔も離れた場所になりますが、チベットの未来に夢をかけ、難民子弟の教育に力を入れた丸木氏や亡命政府の思いが、埼玉の小さな地方都市で受け継がれているのです=さいたま支局・三股智子(終 pic.twitter.com/4DtSfR4cRk
— 毎日新聞ストーリー編集部 (@mainichistory) 2017年11月11日