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肉、そしてスロギーとの邂逅

乳がん手術後は、手術が簡単なものであれ、大変なものであれ、下着選びを再考する必要に迫られます。

それについて、主に手術について図入りでちょっと生々しい話をするので、切り傷とか苦手な方は先に進まないで、このウィンドウを閉じて、お茶でもしに行ってくださいね。

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菓子食人種から肉食人種へ

わたしの場合、摘出した部分自体は1.5センチ四方のボタン電池くらいの大きさでした。なーんだ、それしか採ってないのか、と当初は思いました。

が、それしか採ってないのに、お菓子が主食では、と思われるほどお菓子好きだったわたしが、なぜか術後から肉を食べたくて仕方ない。ほぼ寝ていた退院後の一週間が明けてから、通院のたびにラム肉ステーキだとかふつうの牛ステーキ、バーガーキングのワッパーだとかを食べていました。

 

職場復帰してからは、オフィス近辺が神保町〜御茶ノ水で肉食しやすいのをいいことに、ほぼ連日、肉食。カツ丼とか、揚げ物自体がそんなに好きじゃなく、以前は年に一回食べるかどうかだったのに、術後はすでにたれカツ丼を五回は食べてるし。

 

ステーキは150グラムだとまったく物足りなく、300グラムだと満足する状態。もともとは200グラムでかなり満腹になっていたような?

以前は、肉を食べるおなかの余裕があるなら、その分ケーキこしあんチョコレート! だったのですが、術後は逆。さいきんは「好きで食べたいもの」が、肉から以前の食の好みのお菓子や具沢山サラダに戻りつつある気もしますが、「それが完全に戻った時が治癒じゃないの?」と、ステーキに付き合ってくれた友だちに言われたりしています。

 

手術痕と謎の痛み

そして手術痕のある右の胸の乳首内側から、ずいぶん離れた場所が痛んだりするのに気づきました。具体的には、ワイヤー入りではないものの、ふつうに締め付けのあるブラをすると、胸の下辺の脇腹近くが痛い。

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(左側の赤い丸が摘出予定部位の予想される位置、右側の赤い三日月が手術痕、ファイヤーしている楕円部分がふつうのブラを着けると痛むところ)

 

はて? これはどういうことだろうと、毎日の放射線治療の際に立ち会ってくれる女性看護師さんに聞いてみました。すると、言われてみれば当然だけど、驚きの事実が判明。

摘出した部分は手術痕の真下とは限らず、しかも皮膚を切開したらすぐあるわけでもない。たくさんある乳腺の乳管の一つが異形成、つまりがん化しているのを、脂肪とたくさんの乳腺と乳管をかき分けたり探ったりして、切除・摘出するのに、関係ない部位を切り開いていくわけです。

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乳腺外科|綾部市立病院のサイトより)

 

だから、いかに初期のがんで摘出する部位が小さいといっても、ハイ、切除・摘出しました、次、切開した皮膚を縫い合わせて終わり、とはならないのだそう。

切り開いた部分がまた癒着するよう、溶ける糸で縫い合わせてから、皮膚の切開部分を同じく溶ける糸で縫い閉じるわけですが、この切り開いた部分を縫い合わせるときに、摘出した肉が失われているので、それを埋めるため、肉をかき集めたり引っ張ったりして縫い合わせるとのこと。

なので、手術痕と関係ない部分の痛みは、内部で肉が引っ張られていることによる引き攣れで、前とは違う場所に縫い集められた肉が落ち着くまで続くのだそう。

 

そうだったのか……。しかし、見た目的には手術痕の近くが少しへこんでいるようにしか見えないので、まったく実感がありません。手術前の説明書の文章が、いまさらに腑に落ちたりして。

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スロギー・ゼロフィールの衝撃

だがしかし、脇腹に近い部分を締め付けると痛いのは変わらないので、引き続き看護師さんに下着選びについて質問してみました。

「そうねえ、ユニクロとかのブラキャミとか、あとスロギーがいいみたい」

 

……スロギー、ですか。その時点でわたしのスロギーのイメージは、服に響かない深履きのださショーツのブランドでした。が、ググってみると思っていたのとはぜんぜん違うスロギーの世界が展開されていたのです。

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とりあえず、「ゼロフィール」というコピーに惹かれて、地味色と派手色を一枚ずつ購入。届いて着てみると、こ、これは! たしかにゼロフィール! 無重力的な! 負担が感じられないとかいう以上の着用感でした。

で、ふと思ったのですが、これほど着用感が稀薄なら、バレエのレッスンにも向くのでは? そしてやはり、それっぽいおしゃれなデザインも展開されているわけです。

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ランジェリーのレースが大好きなので、すべての下着をスロギーに置き換える、という日は来ないと思いますが、また買ってしまいそうではあります。