高校野球と動物園
酷暑のなかで高校野球全国大会が行われることを残酷ショーだと非難する意見を、今年はツイッターでよく見かけた。選手だけでなく応援する人の中にも熱中症が起きているし、よろしくないなと、わたしも思う。
が、酷暑のなかの高校野球を非難する人が、動物園で展示されている動物が、本来棲息する地域とは異なる自然環境で暑さでのびていたり、氷を与えられていたりするのを、非難どころか好ましく取り上げているのを見ると、複雑な気持ちになる。
そもそも動物園はほとんどの動物にとっては拉致されてきた先で、もともとの棲息環境とかけ離れた場所。仲間もいなかったりして、ノイローゼになる動物もいるような場所。しかも、夏だけじゃなく、一年中。それはいいのだろうか。
人間が見たり触れ合ったりするためだけに、野生動物を不自然な状態において不自由を強いるのは申し訳ないと、最近、急に思えてきた。すべて感情がある(と人間から見える)生き物は魂があり、自分の過去の親やきょうだい、師匠や仲間の生まれ変わりかもしれない、というチベット仏教の考え方に身近に接して影響を受けているせいもあるのだろう。
そして、一度そう思ってしまうとなんだかやるせなくて、動物園や珍しい野生動物のいるカフェにはどうも行く気がしないのだ。