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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

ヒートショックと露天風呂

しばらく前に温泉に行ったとき、大浴場に先客がいた。年齢が若い順に、孫、母、祖母の三世代家族である。大浴場には露天風呂がついていて、母は何度も祖母を誘う。

 

母「ママ、露天風呂入ろうよ」

祖母「でもね、ヒートショックがねっ」

母「ヒートショック?」

祖母「最近はそういうのがあって、老人が死にやすいんですって!」

 

いやいや、名前がついてセンセーショナルに喧伝されてるだけで、特に新しいことではないと思う。なお、この三世代家族、孫が小四くらいで、祖母はわたしと年齢が近い。いまどきの感覚でいえば、老人というのはどうかな? というところ。

 

祖母「何千人も死んでるんですって」

 

何千人も。それは年間? この十年? どうも彼女はヒートショックがよほど怖いらしい。母が露天風呂との境のガラス戸をカラカラと開けて言う。

 

母「ママー、外、そんなに寒くないよ?」

祖母「そうぉ? でも心配だわ」

母「中のお湯であったまってからいけばいいじゃん」

祖母「ここのお湯はいいお湯ねぇ〜。こないだ白馬のほうで入った温泉もよかったわ」

 

温泉は好きなのか。なお、この時点でわたしは髪を洗い、体も洗っている。内湯に入ると、祖母が言った。

 

祖母「ほんと、いいお湯ねえ。また来たいわ」

 

そのときはぜひ、露天風呂にも入ってください。そう念じつつ、わたしは内湯であったまってから露天風呂へ。母と祖母はまだ露天風呂攻防戦を繰り広げている。もう、母と孫でとか、なにか心配なら祖母と孫を内湯に残して母のみでとか、露天風呂に入ればいいのに。

そう思って露天風呂から出てきたら、孫は母と祖母の露天風呂攻防戦と大きなお風呂に飽きたのか、一人で先にあがって髪の毛を乾かしていた。その後、わたしが髪を乾かしていると母と祖母があがってきた。彼女らは、内湯に少なくとも20分は入っていたんではないかと思う。ヒートショックはいいけど、湯当たりは心配じゃないのだろうか。

きっとこの、早朝の屋上露天風呂とか絶対、入らなかったんだろうなあ。もったいない!

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