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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

#391045428:さよなら玉川改札、さよなら東急東横店

小さい頃の渋谷は「歯医者の町」だった。公園通りの今のマメヒコあたりか少し下ったあたりの雑居ビルの歯科に、虫歯でもないのに歯の矯正のために、定期的に抜歯につれていかれるのだ。
有楽町線江戸川橋から市ヶ谷へ、市ヶ谷から国電(あの頃はJRのことをそう言った)で新宿経由で渋谷へ。代々木で乗り換えたりとか、半蔵門線に乗り換えたりだとかした記憶はない。渋谷駅に着くといつも階段を降りて地上へ、そしてハチ公の横を通って公園通りに向かった。
あるときなどは、母方の祖母、父方の祖母、母となぜか三人も大人が付いてきて、「この狭い雑居ビルの歯科医院に迷惑なのでは」と居心地が悪かった覚えがある。
大きくなってからは、つみきみほさんを見かけてお顔の小ささにびっくりしたり、美輪明宏さんを見かけて(まだあったジァン・ジァンの手前で)「本当に上下レースの白いスーツを着てらっしゃる!」と感動したりした。
大人になってからは通勤の始点だったり、春のアースデイ東京で、Students for a Free Tibet Japan のブースを出すのに何年も通ったりもした。玉川改札付近の石造りの階段とかは、こちらも建て替えでもうない四谷の小学校校舎の石造りの階段に雰囲気が似ていて懐かしかった。
その間、友達や親戚との待ち合わせの定番のハチ公は位置が変わったりなんだりしていたけど、東急東横店がなくなるなんて、ましてや玉川改札がなくなるなんて、夢にも思わなかったな。
今日、通りかかって見たそこには、そんな「夢にも思わなかったひとが見た玉川改札付近の夢」みたいなアートが、慣れ親しんだ壁やシャッターにたくさん描かれていた。夢だから、明日には消えてしまうけど。

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このタイルとももうお別れ◆◇◆