読んだり食べたり書き付けたり

霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

屋外型遊園地で、全行程徒歩通過式の西洋風お化け屋敷に行くことになっている、連れともうひとりのだれか男子とわたし。お化け屋敷は一見、ヘキセンハウスのような見た目なのだが、入るとなんだかショボい。ショボいのだが「お化け屋敷である」という事実性からの恐怖感でもたもたしていると、同行のふたりは「こんなのぜんぜん怖くないじゃん」と先に行ってしまった。

すると、係員であるところのきちがい帽子屋とワンダー正光(判らない方は丸尾末広の『少女椿』をお読みください)を足して2で割ったようなシルクハットの小男が、「この透明な天井の上でいちばん怖いと思うところに乗れ」という。が、そのスペースがあまりに細長いので、どこが怖いというより、そのショボい仕掛け自体に乗るのが怖く、ぐずぐずしていると、「下に落ちる間に心に浮かんだ言葉を後で言え」との言葉とともに床が抜け、巨大クッションを敷き詰めた部屋に落下する。

で、その小男に「どんな言葉が浮かんだか」と聞かれるのだが、なぜか和菓子の名前(しかも駄菓子)が思い浮かんでいて正直にそれを告げると、「しょうがないやつだ」というような呆れ顔をされる。ああ、これはある種の精神分析で進むお化け屋敷だったのか、とすでにその前提を大きく踏み外したことを残念に思っていると、「まあそれもあるから食べろ」と、小男にお菓子をすすめられた。周囲はすでにクッションというより、炬燵の感触と気配であった。