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霊長類ヒト科アゲアシトリ属ジュウバコツツキ目の妄想多め日録

『攻殻機動隊2.0』@新宿ミラノ

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 [Blu-ray]

舞台挨拶の時よりスクリーンが大きめに変わり、しかも前の通路を前にした席でのレイトショー。水曜日でレディースデーのせいか、女性、それも二人連れのアニマックス攻殻世代とおぼしき若者が多い。


バージョンアップ前の冒頭でいつも見るのが楽しみだった、素子のコートの襟内側のレースは受け継がれてなかったけど、そんなのは今回の場合にはどうでもよくなっちゃった。完全に造り直されたこの、素子が登場してダイブするCG シーン、続いて巧みにCGが組み合わされ、というか絡み合わされた素子義体製造シーンには、精妙なエロさに鳥肌が立ちすぎてちびりそうになる。


初日に見たときには、人形遣いが喋り始める前あたりから見て三度、鳥肌が立ったけど、冒頭の新作シーンでは三度どころかさざ波のように鳥肌が立ち続け、視覚の歓びからほとんど性的な快楽に近い感覚さえ覚えてうっとりする始末。この瑞々しい色気は、やはり監督が空手で体力をつけ、見た目までも若返ったことに起因するのでは、などと思う。


人形遣いの声に関しては、がらりと声優さんを変えたことで、「人形遣い」という不気味にあだ名される、あるいは「プロジェクト2501」としか名付け得ぬその存在の不気味な輪郭がとても強くなったように思う。クライマックスの素子との遣り取りでは、「わざと素子に似ていると思わせる部分ばかり演出して近づいたのではないか?」などと考えてしまうほど、新しい人形遣いは13年を経て、さらに不気味で底知れない。


上映後、映画館を出て、この映画をこの季節、この時間の歌舞伎町で見終わるということの幸せをかみ締める、が、完全に初見だったイノセンス(試写会入れてたしか8回スクリーンで見た…)の時ほどじゃないけど映画館に通ってしまいそう。