さいきん見た映画:難民、インド、数学
退院後ずっと家にいたので、職場復帰のリハビリも兼ね、ここ数日外出しては映画を見ていたので、このお題「最近見た映画」など。
日本人は倍、苦笑できるシーンあります。
日常のちょっとしたくすくす笑いと現実的な深刻さが共存する、アキ・カウリスマキ節の「リアル」描写は変わらず。犬はやっぱりリアル天使だな! あとはなにを言ってもネタバレにつながりそうなので、気になっているひとは早めに見よう! なお、この日はフィンランド出身の監督の映画を見るにふさわしく(?)、雪が積もっていたので登山靴で外出しました。
・『バーフバリ 王の凱旋』@新宿ピカデリー
ネットで評判いいので『パディントン2』と迷ってこちらに。
……うーん、インド映画なのに長くないのと、美女役がデブじゃないのはよかったです。ご、ごめんなさい。視覚的にはたしかに面白いんだけど、ストーリーが類型的な神話の域を出ないので、「あー、こういうオイディプス王的な話とか、モーゼが捨て子になった系の話って、世界中にあるよね」と、熱くなれなかったのが敗因。
なんでもかんでも規模を大きくすれば迫力が出る、という方針のようなんだけど、現実味がなくて没入できなかった、というのもある。故・澁澤龍彦が幻想文学新人賞かなにかのコメントで書いていた、「空想世界には現実的で緻密な設計図が必要。荒唐無稽につくり上げればいいってもんじゃない」という言葉を思い出します。
というわけで、パディントンの方が、よかったかなあ。と、思いつつ何かインド欲は刺激されたのか、観賞後、カレーを食べました。
なお、主人公と、主人公の妻になる王女の兄とのBL妄想は捗りましたよフフフ。
・『ドリーム』@アップリンク見逃した映画特集2017
「見逃した映画特集」、今年もやっててよかった!
高等数学ができるって、やっぱりいいなあ、というのが一番の感想。ギリシャ哲学の時代から、数学は世界の仕組みを解明する方法のうちの大きな一つであることをあらためて思います(数学がぜんぜんできず内容がほぼわからない上、日本語の勉強にもならない数学同人誌の校正をわたしが引き受けている理由の一つはそこにあるのです)。
そしてそれには性別とか肌の色は関係なく、ただ能力とセンスがあるかどうかが重要なのだ。と、いうことを(建前上であれ)共有できている社会を後退させてしまうのは、文明の退潮そのもの。なので、これからも人権侵害には「NO」を言い続けようと思います(主にチベット難民について)。
ところで、『ムーンライト』に出てきたカップルがカップルじゃなく出てきたり、ケヴィン・コスナーの役が「ハリソンさん」(わたしにとっては「ハリソン」といえばハリソン・フォード)だったりと、軽く混乱するキャスティング。売れっ子ばかりが集まったということでしょうか。あと、キルスティン・ダンストに関しては、昔から「なぜこの子がモテるいい子の役? 『小公女』で言ったらセアラをいじめる側じゃん?」という印象で、ヒロイン役の彼女にそれこそ混乱してたので、今回ははまり役だな〜、と思いました。