福岡アジア美術館のアジアギャラリー
福岡アジア美術館*1のコレクション作品が展示されている「アジアギャラリー」*2がすごい。
政治的な権利とか、民族としての自己を失わないためとか、今現在いろいろなことのために闘っているアジアの国の作家の作品が多いためか、作品からの「圧」がすごい。たとえば西洋古典絵画の展覧会に行くと、わたしは教科書に載っている有名な作品以外に魅力的な、できれば強い「圧」を感じる作品に出会いたいと思うのだが、それはそんなに叶えられる望みでもない。
だがこのアジアギャラリーに展示されている作品は、ほとんどどの作品もかなりな「圧」があり、じつのところ、友人夫妻と待ち合わせるまでの小一時間の時間つぶしと考えていた目論見は完全にひっくり返された。あと30分か、理想的には滞在時間2時間近くは必要だと思う。
展示作品にはギリシャ悲劇の王女メディアと自分の境涯を重ね合わせた連作もあった。ただ、
ところでこの件で係員の方に「ギリシャ悲劇にお詳しいんですか?
マリア・カラス 映画「王女メディア」 英語版 Maria Callas 「 Medea 」 (movie, English version)
さて、美術館サイトの「コレクション」のページで、なにも入力せずに「所蔵品検索はこちら」
そのなかの「種別」を「絵画」に、「国・地域」で「中国」を選んだ作品の先頭に、アイ・シュアン(艾軒)という作家の「瑞雪 Beautiful Snowscape」というチベット人を描いた絵を見つけた。季節柄、冬に展示されるのだろうか。これもいつかぜひ見たい。
なお「中国」作品には反骨のアーティスト、アイ・ウェイウェイ(
絵画だけでなく立体作品もけっこうある。そのなかでもアニッシュ・カプーアなる作家の「虚ろなる母」という巨大な青いオブジェ*3はすごかった。一対一で作品と対峙するという体験を上書きされた。
アジアギャラリーから出て、ロビーの明るい窓際に歩いていくと、ミュージアムカフェのあるキッズコーナーの片隅に、
とにかく、いろいろと魅力的な美術館。なお、常設ではない展覧会は、わたしが行ったときは「生誕60周年記念 くまのパディントン展」。二作目の映画公開後でもあり、パディントンのファンにはいいタイミング。わたしは映画のパディントンは好きだけど、原作の挿絵のパディントンはあまり好きではないので行かなかったけれど(あ、お話は大好きです。とくにブラウン一家とパディントンが生演奏のあるサパークラブ的なところに行って、パディントンがうっかりミニ玉ねぎをナイフでつるっと生演奏バンドのサックスの中にインしちゃう話とか)。